2008-01-01から1年間の記事一覧

グーグーだって猫である 1・2/大島弓子

『日本紀行』にはまってるうちに読書記録がすっかり空いてしまって、他に何も読んでなかったっけ…と思い直して、思い出した2冊。キョンキョンで映画化?されたんでしたよね、ちょっと前。全く見ておりませんが…ていうかこれを映画化ってどういうストーリー…

イザベラ・バードの『日本奥地紀行』を読む/宮本常一

そして次に読んだのが、民俗学者宮本常一氏が、イザベラ・バードの旅行記を読み、内容を取り上げながら話した講演をまとめた本。『日本奥地紀行』は『日本紀行』の前の訳のときのタイトル。…というところで、いまさら原題を調べる… 「Unbeaten Tracks in Jap…

イザベラ・バードの日本紀行 上・下 /イザベラ・バード 訳 時岡敬子

今年の春に出た、文庫、新訳による完全版。ちゃんと読むのは初めて。上下巻のボリュームもさることながら、文字数も多い。じっくり読みたいのもあり、えらく時間がかかりました。 1878年・明治11年の日本を訪れたイギリス人の女性旅行家であるイザベラ・バー…

無事、これ名馬/宇江佐真理

町火消し「は組」の頭、吉蔵と、その妻お春、娘お栄、娘婿で「は組」の纏持ち由五郎。その家庭に弟子入り志願する武家の息子太郎左衛門が、幼子から青年になるまでの吉蔵一家とのつきあいや、人間模様を綴る一冊短編読み切り。 お栄の想い人であった幼なじみ…

インディアナ、インディアナ/レアード・ハント 訳 柴田元幸

かなり長く「積ん読」していたものにようやく着手。 静かな静かな小説でした。 断片的な記憶や手紙の文章が並べられ、描写され。説明なしに語られるノアやオーパルやマックス、ヴァージル、ルービー…これらの名を持つ人物が何者なのかなかなか見えてこない。…

うそうそ・ちんぷんかん・いっちばん /畠中恵

とりあえず、読んだ本メモうそうそ しゃばけシリーズ 5作者: 畠中恵出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/11/27メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 9回この商品を含むブログ (100件) を見るいっちばん しゃばけシリーズ 7作者: 畠中恵出版社/メーカー: 新潮…

思い出したら、思い出になった。/糸井重里

ほぼ日の、トップに書かれてる「今日のダーリン」「ダーリンコラム」からの選りすぐりをまとめた一冊。 教訓ぽいのはイヤだけど、言葉の魔術師というか(クッサイなあ)、なんつうか、糸井さんの言葉だからか、重たくなくて、やらしくなくて、だいたいしっく…

水中都市・デンドロカカリヤ/安部公房

安部公房短編集。特に理由もなく、おどろおどろしい魚の装丁が気になって、衝動買い。…と思ったら、装画は安部真知。奥さまだったのですね。そう思っていま家にある安部公房を見直してみたら、新潮文庫の何冊かは安部真知の絵でした。そうだったのかー。無知…

恋人たちの誤算/唯川恵

先月、旅先でお借りしました。25歳女子たちが主人公。弁護士事務所で働く、独立心旺盛な流実子と、お嬢様育ちで一流会社のOL侑里の、それぞれの仕事と恋愛とが並行して描かれて、途中途中でそれが交わって、最後に…収束。ふたりとも、方向は違うけれど、思い…

白洲正子自伝/白洲正子

白洲正子に白洲次郎、なんだか、数年前(から?今も?)にひそかにブームではありませんでしたか。ワタシはきっかけを知らないのだけれど、本屋で多くの関連書籍を見たように思います。そう、本屋の、面出しされてる本で知った名前。その後も生半可な知識だ…

こぐまのガドガド/フジモトマサル

フジモトマサルさんの、漫画。くまの親子の連作短編。文庫版が今年の春に出たみたい。ほのぼの具合は文句なく。ちょっと起伏にとぼしすぎて、さらーっと読んだらあまり残らない感じではある。最後、文庫版書き下ろしだという嵐の夜の「おとうさんの話」のオ…

向田邦子 暮しの愉しみ/向田邦子 向田和子

向田邦子さんの末の妹、和子さんが語る、邦子さんの思い出、彼女の集めた食器、つくっていた料理、好きだったものetc. 特に、得意だったという料理…向田邦子プロデュースで、和子さんが「おかみ」としてやっていた「ままや」で出されていた料理だったり…は、…

野球の国/奥田英朗

スゴイタイトルだなあ、と、先日の「延長戦に入りました」を買うとき隣にあったのを一緒にレジへ。 こちらは最近、2000年入ってからの、「野球観戦目的のひとり旅」エッセイ。最初が、シーズン前のキャンプを見に2月の沖縄へ飛ぶってんだから羨ましいです。…

延長戦に入りました/奥田英朗

奥田氏が熱心な中日ファンなのはこちら↓で承知 http://d.hatena.ne.jp/ka_ya/20061112 で、そんな作家さんの、10数年前のスポーツエッセイというか、ぼやき。スポーツと関係ない話もあったかな?語り口がちょっと軽いのが引っ掛かったのですが、それはここ数…

文房具56話/串田孫一

旅先の京都、しかも雑貨屋で購入。串田孫一さんが、文房具についてあれこれ語る56編。好きそうでしょ。好きでした。はい。 はじめの「帳面」(ノート、じゃなくて帳面)から、「ペン先」とか「アルバム」とか。「ぶんまわし」はコンパスのこと。これははじめ…

湯ぶねに落ちた猫/吉行理恵

表紙イラストと解説が浅生テルミン。吉行理恵は吉行淳之介と吉行和子の妹。吉行エイスケとあぐりの娘。淳之介も和子もエイスケもあぐりも知ってましたが、理恵さんは知りませんでした。勉強不足。2006年に66歳で亡くなっている。「湯ぶねに落ちた猫」は亡く…

天下り酒場/原宏一

「床下仙人」がちょっと評判になっていた作家さん。 短編集。表題作は、県庁の役人が天下りで居酒屋の従業員に…という話。ほか、資格とりまくりの人をタレントに仕立て上げる資格ファイター、とか、ある日突然ボランティアを名乗る女性が家庭に入り込んだり…

二週間の休暇/フジモトマサル

人間の女性が主人公。静かな世界…鳥の国?に迷い込んで、自分が誰かも思い出せないのだけど、なんだかしっくり溶け込んで生活してしまっていて。タイトル通り、ちょっとだけ、現実から離れての休暇なのですが、淡々と、いいなあ。と。物語の中で出てくる「給…

タイムマシン/アニリール・セルカン

東大の建築学科の教員であり、科学者。大学界隈では有名人なので前から存じ上げておりました。 この本は、セルカンさんの実体験を元に書いた、小説。スイスの寄宿学校を退学処分になった13人の少年たちが、タイムマシンを作ろうとする話。ノーベル賞受賞者と…

おまけのこ/畠中恵

四冊目。着々と。 三冊目「花かんざし」で登場の於りんちゃんと、お雛さんがまた登場。こういう、後になってまたあのときの話と繋がりが…、みたいなのが多いのは、シリーズ読者には嬉しい仕込みですよね。いやだから。サービス上手なんだよなー、この作家さ…

ねこのばば/畠中恵

三冊目。今更気づくけれど、1冊目だけ長編で、その後は短編集なのね。 貧相な奉公人が福の神か!?という「茶巾たまご」は皮肉もあってよし。佐助の過去のものがたりも、「仁吉があったなら佐助の話も読みたいわー」と思う読者(女子)ココロをわかってらしゃ…

ぬしさまへ/畠中恵

二冊目。短編がいくつか。前作ラストで話題に出て気になっていた、腹違いの兄「松之助」がきちんと描かれる。これまた優しい筆致で。三人称で書かれているのだけれど、一人称なひとりごとが普通に挟まれて、なんだか不思議な文章。ついつい引き込まれてしま…

しゃばけ/畠中恵

ファンタジーノベル大賞優秀賞。単なる時代ものではなく、妖怪…妖(あやかし)たちが出てくるところが、ファンタジー? でも、江戸の風物、町や人の描写がナチュラルにとてもうまくて、建物にしろ、日本橋の通りにしろ、かなり鮮やかに情景が思い浮かぶ小説…

monkey business vol.1 野球号

柴田元幸さん責任編集の文芸誌。創刊号は「野球号」。そりゃ買うでしょう。 小川洋子(トラキチ)と柴田元幸(横浜ファン)の対談は面白かった。にやにやしました。ふつーに野球ファンの会話だものな。で、そのあと、柴田さんの「オースター、ノーマン、ファ…

吉原裏同心(七)枕絵/佐伯泰英

あら。今回も道中モノです。でも前回のタイトル「遣り手」が、その後のものがたりの発端としてラストまできっちり繋がっていたのに対して、今回の「枕絵」(春画)は読み切り的な話の題でした。あ、旅に出る前に、同郷の出で、幹次郎らが長屋を世話した甚吉…

吉原裏同心(六)遣手/佐伯泰英

シリーズ六冊目。そろそろ停滞気味か?というところで、やりますね(エラソウ)、幹次郎、旅に出ます。吉原の表と裏とを隅々まで物語る仕掛けを少々休んでの道中モノ。評判の「遣り手(やりて)」であったおしまが殺され、その事件解決から物語は始まり。そ…

三崎日和 いしいしんじのごはん日記2/いしいしんじ

ここ2年くらい、webのごはん日記をつらつら読み続けております。今回のごはん日記2、は2003年の記録なので、未読。でもゆっくり読んでいるのと、リアルにwebで読んでいるのと(webの方も数ヶ月遅れだとかなんだけれど)、たまに混ざってたりいたしました。…

古道具 中野商店/川上弘美

ひさしぶり川上弘美。東京近郊(イメージとしては中央線沿線)で中野さんの営む古道具屋で働くわたし、店員仲間?のタケオ、中野さんの姉の芸術家マサヨさん…が主な登場人物で。淡々と過ぎる日常をわたし目線でたらたら綴ります。「わたし」は「ヒトミ」。中…

吉原裏同心(五) 初花/佐伯泰英

…読み終えて時間がたってしまって。ええと今回はあれだ、豊後国岡藩で幼なじみの甚吉が、リストラされて困っているのを、長屋を見つけて世話してあげるくだりが随所にはさまりつつ。文使いの正五郎が事件に巻き込まれて殺されて、その隠されていた娘との事件…

いつも旅のなか/角田光代

ひたすらに、世界各国を旅して歩いた旅行記エッセイ。ありきたりな観光地というよりは、かなりの僻地や、何にもない普通の街なんかをひとりで彷徨っているのが多い。バリ行き直前に貸して貰って、あ、バリもあるじゃん、と読んだけれど、そのバリ旅では現地…