2011-01-01から1年間の記事一覧

大正二十九年の乙女たち/牧野修

twitterでどなたかが書かれていて気になったので買ってみた。牧野修というのは普段はホラー作品を書いている方だそう。この「大正二十九年の乙女たち」ではちょっと猟奇的な描写もあるけれど、大部分は時代モノ青春小説というかなんというか。 大正二十九年…

深夜球場/赤瀬川隼

野球にまつわる話をまとめた短編集。赤瀬川隼の小説、初めて読みました。読者層は中高年男性な感じ?と思うのは、20数年前に発表されたものを今読んでいるから感じる感想かしら。 寡黙な選手のプライベートの話、深夜の球場でのアルバイトと元選手だった老人…

あたまのなかにある公園。/糸井重里

このとき↓ 2008-10-28 - kaya的読書記録 以来の糸井さんのエッセイ。ほぼ日に書かれているものをまとめているので、読んだことあるのが多いのですが、まあ買ってしまう。小説じゃなくてエッセイがいい。押しつけがましいのは苦手。にやりとしたい。内容がな…

吉田屋とヒント/吉田裕子

京都のとても素敵なお店「吉田屋料理店」の裕子さんが書かれた一冊。3月末に行ったときにお店で購入。 「ちょっとかわった器のコレクション、旅先の美味しいものの話、旅にまつわる話をたくさんの写真とともに書き下ろしました」 …のご紹介通り。台湾、韓国…

オリガ・モリソヴナの反語法/米原万理

翻訳家米原万理さんの初小説。エッセイはたくさん読んでいましたが、小説は初。 チェコのプラハ・ソビエト学校で過ごした小学生時代…というのは米原さん本人がエッセイでさんざん書かれていたご本人の体験そのままの設定。そこで出会った強烈な教師オリガ・…

わたしいる/佐野洋子

小説…でいいのか。佐野洋子さんの、自叙伝的な部分もあるのだろうか、挿画もたくさんの一冊。こどもの体験、思い、想像。「あの頃はこうだった」ではないです。こどもの目線の、こどもに起こる出来事が短編で綴られる。あざとさなんて微塵もなく、なんだろう…

京都の精神/梅棹忠夫

まーた時間があき過ぎて、何を読んだっけこの間…となっておりますが、思い出せるところで。梅棹さんの本を何か一冊、と春先に出掛けた大阪民博での展覧会で買ってきた一冊。 京都についてひたすら語る講演の記録がメイン。 京都という都市の、その特徴、意味…

[小説]ろまん燈籠/太宰治

なんとなく気になって古書店で買ったものの長らく積ん読されてた1冊。中編程度のものから、とても短いものまで16編。太宰治32〜36歳頃の短編集。だから、と言えるほど大宰を読みこんではいないけれど、どれもこなれていて、安定感があるというか。読みやすい…

ロシアは今日も荒れ模様/米原万理

米原さんブームもひっそりと続いていたり。これは未読だったもの。表紙のマトリョーシカがかわいい。いつもの通訳としてのエピソードいろいろだけれど、これは特にソ連…ロシアという国に焦点を絞って書かれている。冷戦の終結、ゴルバチョフやエリツィンの人…

きみはポラリス/三浦しをん

結構前に読み終えたのだけれど、そのまますぐ友達に貸してしまって、すっかり忘れておりました。三浦しをんの短編集。恋愛モノばかりの。…恋愛モノばかりと言っても、普通のあり、不倫ぽいのあり、同性愛あり、あとええと人間とペットなんてのもあり。題材は…

パーネ・アモーレ イタリア語通訳奮闘記/田丸公美子

米原万理さんつながりで、親友であったイタリア語通訳の田丸公美子さんのエッセイ。米原さんに引き続きというか、この方の文章もとても面白い。小気味よい。イタリアならでは、イタリア人ならではのエピソード満載で、米原さんの描くロシア像のように、田丸…

永遠の0ゼロ/百田尚樹

予備知識なく着手。現代に生きるワカモノである主人公とその姉が、戦争で亡くなった祖父について調べていく話。姉は駆け出しのライターで、その仕事にするつもりで弟を使いつつ戦友会を通して連絡のとれた人にインタビューを繰り返し、祖父・宮部久蔵の人と…

がんばりません/佐野洋子

本屋寄ったら佐野さんの追悼フェアみたいなのをやっていたので、エッセイを一冊購入。相変わらずの佐野さんのあっさり赤裸々、素のまんまな文章ににやにやしながら読破。前に書いたけれど、高校生の頃読んで、すっかり、なんというか、気持ちの上で「意気投…

1984年/ジョージ・オーウェル 訳:新庄哲夫

村上春樹を一気読みしたときに、話題になっていたジョージ・オーウェルの「1984年」。タイトルは知っていたけれど未読だったので、手を出してみました。実は読むのにかなり間空けて3ヶ月くらいかけてしまったあたり、最近は物忘れだけでなくて、本を読む能力…

ガセネッタ&シモネッタ/米原万里

実家から持ってきた一冊。 itoさんが書いてらしたの見て、あー、米原さん読み返したいなと思い。読んだ記憶はあったのですがやっぱり面白かった。 ロシア語通訳の米原万里さんが描く、通訳とはなんたるか、語学とは言葉とは人間とは…とさまざまな絵模様。日…

九段坂下クロニクル/一色登希彦、元町夏央、朱戸アオ、大瑛ユキオ

漫画とかエッセイとか、軽いのばかり続いている…。読書量減っています。 これも漫画。同僚さんが、住宅がテーマの連載の仕事をしていて、こちらの専門についていろいろ聞かれたのでお教えしていたら、そうか、これ知っていますか?と貸していただきました。…

すゞしろ日記/山口晃

銀座三越の展覧会でニヤニヤ笑いが止まらなくなって、勢いで(?)買ってしまいました。そして一気読み。山口晃のイラスト作品と、雑誌で連載していたイラストエッセイというか漫画式エッセイ「すゞしろ日記」掲載の一冊。 ちょっとお茶目で、そのへんにいそ…