深夜球場/赤瀬川隼

野球にまつわる話をまとめた短編集。赤瀬川隼の小説、初めて読みました。読者層は中高年男性な感じ?と思うのは、20数年前に発表されたものを今読んでいるから感じる感想かしら。
寡黙な選手のプライベートの話、深夜の球場でのアルバイトと元選手だった老人の話…ドームではない後楽園球場と思われる球場や実際の川崎球場、また架空のチームだったり実際の選手だったり、フィクション、ノンフィクションが入り交じっている感じです。20数年前の執筆ということで、今とは違う、プロ野球がまだとても人気のあった時代。もちろん人気のないチームというのはあったけれど、スター選手は本当に国民誰もが知っているスターで、優勝の行方に誰もがやきもきして。
ちょっと古くさいのは当たり前だとして、親父な趣味だなと思いながらもプロ野球ファンとしては楽しめる一冊でした。中ではおじさんたちの野球にまつわる思いと知休荘という木賃アパートが魅力的な【梶川一行の犯罪】が好きかな。

深夜球場 (文春文庫)

深夜球場 (文春文庫)