ガセネッタ&シモネッタ/米原万里

実家から持ってきた一冊。
itoさんが書いてらしたの見て、あー、米原さん読み返したいなと思い。読んだ記憶はあったのですがやっぱり面白かった。
ロシア語通訳の米原万里さんが描く、通訳とはなんたるか、語学とは言葉とは人間とは…とさまざまな絵模様。日本語の謙遜表現の難しさと、欧米人の身内称賛とをどう繋げて行くのかだったり、もっと単純には、日本語の駄洒落をとっさにどう訳すかだったりの通訳としての苦労と笑い話と、ロシア語通訳だからこその体験や考えなども。
いろいろなところでの短文を集めたものなので、テーマも様々。ツルゲーネフドストエフスキートルストイなどを「容姿」で分析する話に笑ったり。ユーゴスラビアについて詳しい書籍を片っ端から読んで教えてくれる話などはちょっとメモとりました。読もう。
あと対談もふたつ収録。…これ、個人的きわまりない感想ですが、米原さんは、ひとつめの対談相手のことはあまり好きではない(仲良くはない)感じがする…。対談の内容はとても面白いのですが。私が、この対談相手の反応や話し方にちょっとひっかかるものを感じただけであるとも言える。「話してることを文章に書き起こしている」以上、書き方次第で嫌みにも逆にも読めてるのだろうとも思うけど。
タイトルの「ガセネッタ&シモネッタ」は、イタリア語通訳の田丸公美子さんに「献上」した「シモネッタ・ドッジ」とスペイン語通訳の横田佐知子さんにつけた?芸名「ガセネッタ・ダジャーレ」から来てるそうで。田丸公美子さんのエッセイも面白そうなので今度チェックします。

ガセネッタ&(と)シモネッタ (文春文庫)

ガセネッタ&(と)シモネッタ (文春文庫)