2004-11-01から1ヶ月間の記事一覧

三島由紀夫/三島由紀夫レター教室

ABCにて散策していたら、三島は朱色背表紙の新潮文庫はほぼ読んでるけれどその他はあまり知らないことに気付き。筑摩文庫で結構出ているので手を付けようかと。 これはかなり軽口異色作、と聞いたことがあった本。確かに短編でなく一冊丸々この調子なのは初…

ムーミン谷シリーズ/トーベ・ヤンソン

たまに訪れる読み返し熱で講談社文庫のムーミンシリーズ。文庫ですけどもちゃんと挿絵も入っていて、それだけで手元に置いておきたくなりますよ。アニメしか知らない人と、子どもの頃に読んだきりの人は、大人になった今読み返すことを熱烈にお薦めしたいシ…

半落ち/横山秀夫

映画のCMの記憶が強く、主人公梶の顔は寺尾聰を思い浮かべながら読みました。でも雰囲気的に適役だと思います。 警察官が妻を殺した事件を、刑事、検察官、記者、弁護士、裁判官、刑務官…と彼を取り巻く関係者たちの一人称で一章ずつ綴っていく形式。真相…

真夜中の五分前−five minutes to tomorrow side-B/本多孝好

で、読みました。Side B。しかしまさか帰りの片道電車で読み終えるとは。IWGPシリーズでさえちょうど往復だったのに。なんでしょう。字もページも少ないのだけど、内容も薄い…とワタシは感じてしまいましたよ。(薄くても分冊ってのは狙いらしいですが) 話…

ルージュ・ノワール 赤黒 池袋ウエストゲートパーク外伝/石田衣良

今回は主人公マコトくんは出てこず。同じ池袋で、本編に出てくるいろんな人間や組織が見え隠れするけど基本的には別の話。カジノにはまる奴らのダメさ加減にうんざりするし、張り師なんてつかまえてすぐに協力してもらえたりとか、要所要所都合がよすぎる…ん…

骨音── 池袋ウエストゲートパークIII/石田衣良

はい3冊目ー。解説をクドカンが書いてます。そうか、ドラマはこの人がやったのか。毎度いろいろ考えるなあ、という感じ。マチの文化に地域通貨まで出てきたよ。さすがに3冊読むとキャラクターはだいぶ馴染み。でも1冊目に出てきた仲間たちはどこかへ行っ…

少年計数機── 池袋ウエストゲートパークII/石田衣良

さくさく読めております。これは表題作がよいです。他の話は、ちょっとつまづく。まあ全編かなり破天荒なのですが、「良くできたものがたり」調子が強くなってしまうと、せっかくお約束を納得して読み進めているのに苦しくなってきてしまう。 まあ三冊目にも…

池袋ウェストゲートパーク/石田衣良

池袋地元のなんでも屋活躍劇。ドラマは全然見たことなく。でもこれドラマ化したかったのはわかるわ。面白くなりそうだもの。テンポがよい。惜しむらくはキャラが立ちきってない気がしたのだけれど、それは内容的に漫画っぽい読み方をして、それを期待してし…

真夜中の五分前−five minutes to tomorrow side-A/本多孝好

短編集「ミッシング」を読んで、うーん、あんまり。と思っていた本多さん。ミッシングもこれも、するりと読めます。軽ー。嫌いな文体じゃないんだけど、そして多分ものすごく偏見なんだけど、この主人公のような、とらえどころのない、しかし会話がすごく独…

真夏の死−自選短編集−/三島由紀夫

再刷されたばかりらしく本屋で面出しされていたので購入(46刷だって)。最近軽い文体ばかり読んでいたせいか、この、特に若者が主人公一人称のときの、ものすごい自意識過剰からくる生きることの居たたまれなさが。ひりひりするくらい滲みた。でも読んでる…

薬指の標本/小川洋子

この方らしーい、静か、静謐な中編2編の一冊。表題作は、奇妙な標本作製所?の話し。淡々と、主人公と標本技術士の弟子丸氏の生活が綴られ。靴のエピソードとかふたりの逢瀬とかエロティックだったり、いろいろあるんですが、ココロ奪われたのはその「場所…

うつくしい子ども/石田衣良

この人まだあんまり読んだことないのですが。三冊目か。上手な感じ。最近新聞でたまに読むコラムも、うまいなと思う。小説は酒鬼薔薇事件を彷彿とさせる少年犯罪もの。「少年A」になってしまった弟のしたことを、追求して行く兄の話。新聞記者の青年の視点…