第二音楽室/佐藤多佳子[小説]

佐藤多佳子さんの小説を久しぶりに読みたいな、と思っていて本屋で見つけた一冊。 音楽、音楽室をテーマとした短編集。 この人らしく小中高が舞台の子供が主人公の小説なので、好みは分かれるかと思うのですが、それにしても、上手いなあ、好きだなあと思い…

だれもが知ってる小さな国/有川浩

そうだ、これも読んだのだった、と思って記録。 詳しくは講談社の特設ページなど。 http://kodanshabunko.com/colobockle.html小学生のころ読みふけったコロボックル物語、 作者が佐藤さとるではなく、有川浩になっての最新作。 どういうこと?とか、イメー…

夜空の下で/益田ミリ

表紙だけ見て、益田さんのコミックエッセイかと思ったら違いました…。夜空は比喩でなく本当の夜空。空にある星の話、天空現象の話。テーマに対して、人間味あふれるカップルや親子の会話が漫画化されて、そこに天文の専門家の文章が添えられます。 思ってた…

夏から夏へ/佐藤多佳子

前に随分と好きだった作家さん。最近の読書再開で、何か出てないかと本屋で探して見つけた一冊。ほんとはこの方の小説読みたかったけれど、これはノンフィクション。男子のリレー競技に密着取材してる。2007年世界陸上大阪大会、08年北京五輪に向けた日本代…

箱庭図書館/乙一

短編集。予備情報なしで読み、何やら苦手な文体で苦しんだ。 いま検索してみると 「本書は、一般公募「乙一小説再生工場」で小説のネタを集め、乙一がリメイクするという試みから生まれた、新しいかたちの小説」 ということなので、元ネタを加工してこうなっ…

夜のピクニック/恩田陸

名作と呼ばれてるものを読んでみた。遠い記憶。オットに聞いたら、この夜行遠足は茨城の行事で、オットの高校も規模は小さいが似たようなことをやっていたと聞き驚く。青春である。 ナルニア国のくだりが印象深く、この小説もそうなところはありそうだ。もっ…

さようなら、オレンジ/岩城けい

本屋で帯に惹かれて手に取った。このタイトル、この表紙だけではスルーしていたかも。 オーストラリアで暮らすことになる難民女性の成長を綴る物語。いろいろな拙さ、危うさがあるけれどその中にある強さがよい。さようなら、オレンジ (ちくま文庫)作者: 岩…

夜中にジャムを煮る/平松洋子

平松洋子さんのエッセイ、初めて読んだ。すこし文章がうるさいのだけれど、ごはんの話し、どれもおなかがすきそうな勢いがある。 木浦での食は、実体験あるので面白く読みました。とりあえず七輪も買いたくなった。夜中にジャムを煮る (新潮文庫)作者: 平松…

とりあえず

最近またすこし小説やエッセイを読み始めた。一時期は本当に読まなかった。 専門書は読むけれど、読んでも読んでも読むべき本は山積みで、趣味のものなんて読む暇ないと思ってしまってた。 でもやっぱりそれだと頭が悪くなるというか。 仕事の本は読まねばな…

色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年/村上春樹

村上春樹久しぶりに読むと、文体に馴染むのに時間かかる(今回は本全体の1/3くらいかかった感)。村上春樹の小説読んだのは1Q84以来か。久しぶりでした。 それなりに面白かったような気がする。 (読み終えて随分たってから書いている)あとでまた書き足す。…

舟を編む/三浦しをん

文庫化を待っていた。 とてもよかった。 久しぶりの小説一気読み。(これも読み終えてからだいぶたったのでいろいろ忘れているけれど) ひたむきに仕事に取り組むこと、 真摯であることの、本当の気持ちよさみたいなのがあった。読み返そう。舟を編む (光文…

阪急電車/有川浩

これも帯には「100万部突破の大ベストセラー!」の文字が踊り。眉に唾付けながら開いたのですが、こちらは面白かったです。普通に。よい本だ、と思えた。大作ではないので、がっつり読書欲有るときには物足りなさそうですが、ほどよく空腹感が満たされてとて…

傍聞き/長岡弘樹

推理小説の短編集。帯に、日本推理作家協会賞受賞!とかなんちゃらの国内ミステリー部門1位!とかあったので、期待し過ぎてしまった…。 つまらなくはないけど、そこそこでした。 それぞれ、刑事だったり消防士だったり、何らかのプロフェッショナルな職のひ…

けものたちは故郷をめざす/安部公房

どこかで、無人島に持っていく一冊にこれを挙げていたひとがいたのを目にして、買ってみた。かなり傷んだ古本で。最近軽いものばかり読んでいたので、消化不良を起こしそうな重みでしたが、ちょうど実家に帰る用事が続いたので行き帰りで一気に読めた。 (余…

わたしの小さな古本屋/田中美穂

わたしの小さな古本屋?倉敷「蟲文庫」に流れるやさしい時間作者: 田中美穂出版社/メーカー: 洋泉社発売日: 2012/01/31メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 118回この商品を含むブログ (33件) を見る倉敷の蟲文庫には一度だけ行った。ずっと…

どうせ、あちらへは手ぶらで行く/城山三郎

城山三郎が亡くなる近くまでつけていた手帳のメモをまとめたもの。奥さんが亡くなられたときのことなども。何かで目にしてた「そうか、もう君はいないのか」を読んでみたいな、と思っていて、先にこちらを手にしてしまった。 編集者の手は入っていますが、ま…

夕映え天使/浅田次郎

夕映え天使 (新潮文庫)作者: 浅田次郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/06/26メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 11回この商品を含むブログ (14件) を見る短篇集。どれもそれなり。

猫を抱いて象と泳ぐ/小川洋子

猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫)作者: 小川洋子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2011/07/08メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 27回この商品を含むブログ (36件) を見るチェスの話。チェスのルールを知らなくても楽しめますが。久しぶりの小川洋子ですが、…

断絶への航海/ジェイムズ・P・ホーガン 訳:小隅 黎

すっかりまた放置していた。 …最近読んだ本を、タイトルだけでも記録しておこうと思います。2月の日付でとりあえず…。断絶への航海 (ハヤカワ文庫SF)作者: ジェイムズ・P.ホーガン,James P. Hogan,小隅黎出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2005/02/01メディ…

大正二十九年の乙女たち/牧野修

twitterでどなたかが書かれていて気になったので買ってみた。牧野修というのは普段はホラー作品を書いている方だそう。この「大正二十九年の乙女たち」ではちょっと猟奇的な描写もあるけれど、大部分は時代モノ青春小説というかなんというか。 大正二十九年…

深夜球場/赤瀬川隼

野球にまつわる話をまとめた短編集。赤瀬川隼の小説、初めて読みました。読者層は中高年男性な感じ?と思うのは、20数年前に発表されたものを今読んでいるから感じる感想かしら。 寡黙な選手のプライベートの話、深夜の球場でのアルバイトと元選手だった老人…

あたまのなかにある公園。/糸井重里

このとき↓ 2008-10-28 - kaya的読書記録 以来の糸井さんのエッセイ。ほぼ日に書かれているものをまとめているので、読んだことあるのが多いのですが、まあ買ってしまう。小説じゃなくてエッセイがいい。押しつけがましいのは苦手。にやりとしたい。内容がな…

吉田屋とヒント/吉田裕子

京都のとても素敵なお店「吉田屋料理店」の裕子さんが書かれた一冊。3月末に行ったときにお店で購入。 「ちょっとかわった器のコレクション、旅先の美味しいものの話、旅にまつわる話をたくさんの写真とともに書き下ろしました」 …のご紹介通り。台湾、韓国…

オリガ・モリソヴナの反語法/米原万理

翻訳家米原万理さんの初小説。エッセイはたくさん読んでいましたが、小説は初。 チェコのプラハ・ソビエト学校で過ごした小学生時代…というのは米原さん本人がエッセイでさんざん書かれていたご本人の体験そのままの設定。そこで出会った強烈な教師オリガ・…

わたしいる/佐野洋子

小説…でいいのか。佐野洋子さんの、自叙伝的な部分もあるのだろうか、挿画もたくさんの一冊。こどもの体験、思い、想像。「あの頃はこうだった」ではないです。こどもの目線の、こどもに起こる出来事が短編で綴られる。あざとさなんて微塵もなく、なんだろう…

京都の精神/梅棹忠夫

まーた時間があき過ぎて、何を読んだっけこの間…となっておりますが、思い出せるところで。梅棹さんの本を何か一冊、と春先に出掛けた大阪民博での展覧会で買ってきた一冊。 京都についてひたすら語る講演の記録がメイン。 京都という都市の、その特徴、意味…

[小説]ろまん燈籠/太宰治

なんとなく気になって古書店で買ったものの長らく積ん読されてた1冊。中編程度のものから、とても短いものまで16編。太宰治32〜36歳頃の短編集。だから、と言えるほど大宰を読みこんではいないけれど、どれもこなれていて、安定感があるというか。読みやすい…

ロシアは今日も荒れ模様/米原万理

米原さんブームもひっそりと続いていたり。これは未読だったもの。表紙のマトリョーシカがかわいい。いつもの通訳としてのエピソードいろいろだけれど、これは特にソ連…ロシアという国に焦点を絞って書かれている。冷戦の終結、ゴルバチョフやエリツィンの人…

きみはポラリス/三浦しをん

結構前に読み終えたのだけれど、そのまますぐ友達に貸してしまって、すっかり忘れておりました。三浦しをんの短編集。恋愛モノばかりの。…恋愛モノばかりと言っても、普通のあり、不倫ぽいのあり、同性愛あり、あとええと人間とペットなんてのもあり。題材は…

パーネ・アモーレ イタリア語通訳奮闘記/田丸公美子

米原万理さんつながりで、親友であったイタリア語通訳の田丸公美子さんのエッセイ。米原さんに引き続きというか、この方の文章もとても面白い。小気味よい。イタリアならでは、イタリア人ならではのエピソード満載で、米原さんの描くロシア像のように、田丸…