翻訳

断絶への航海/ジェイムズ・P・ホーガン 訳:小隅 黎

すっかりまた放置していた。 …最近読んだ本を、タイトルだけでも記録しておこうと思います。2月の日付でとりあえず…。断絶への航海 (ハヤカワ文庫SF)作者: ジェイムズ・P.ホーガン,James P. Hogan,小隅黎出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2005/02/01メディ…

1984年/ジョージ・オーウェル 訳:新庄哲夫

村上春樹を一気読みしたときに、話題になっていたジョージ・オーウェルの「1984年」。タイトルは知っていたけれど未読だったので、手を出してみました。実は読むのにかなり間空けて3ヶ月くらいかけてしまったあたり、最近は物忘れだけでなくて、本を読む能力…

ちょっとピンぼけ/ロバート・キャパ 川添浩史・井上清一訳

報道写真家ロバート・キャパの若い頃の手記。エッセイじゃなくて随筆というか…と思ってましたが、手記、というのがしっくり来るな。 アメリカの従軍写真家と勝手に思いこんでおりましたが、彼自身はハンガリー・ブタペスト生まれなのですね。母国から脱出し…

チャリング・クロス街84番地/ヘレーン・ハンフ編著 江藤淳訳

タイトルは何となく知っていたけれど、初めて読んだ。あー、なんでもっと早く読んでいなかったんだー!たまらない。今更気づいてすみません。とても好きな感じでした。 有名な本だと思うので、説明するまでもないですが、中身はリアルな往復書簡。ニューヨー…

誠実な詐欺師/トーベ・ヤンソン 冨原眞弓訳

ムーミンで有名なヤンソンさんの1冊。ムーミン谷シリーズ以外では2冊目か。北国の小さな村で暮らす、カトリとマッツの姉弟。カトリはかなり計算高く、損得勘定と騙す騙されることに敏感なひととして描かれる。カトリなりの「筋」がきちんとあり、ぶれない…

夕暮れをすぎて/スティーブン・キング/訳:白石朗ほか

最新短編集。待ち合わせ相手が遅れるよ、とメール連絡くれたときに立ち読みしていたので、そのまま購入。表紙は唐仁原さん。 S・キングをそれほど熱心に読んでるわけではないので知りませんでしたが、近頃短編は書かなく…書けなくなっていたそう。短編小説コ…

ぼくと1ルピーの神様/ヴィカス・スワラップ/訳:子安亜弥

映画の「スラムドッグ$ミリオネア」の原作だそうです。例によって映画を観ていないので、差については述べられません…。 舞台はインド。クイズ番組「十億は誰の手に?」で13問連続で正答して優勝し、賞金を手に入れる権利を得た18歳の少年は、貧乏で、孤児…

フェルマーの最終定理/サイモン・シン/訳:青木薫

父に借りました。フェルマーの最終定理(初めてTeX記法を使ってみる): 「3 以上の自然数 n について、となる 0 でない自然数 (x, y, z) の組み合わせはない」自分が初めてこの定理を知ったのはいつだっただろうかと考える。恐らく、高校か予備校の数学の授…

人生のちょっとした煩い/グレイス・ペイリー 訳・村上春樹

グレイス・ペイリー読んだのは2冊目?…と日記内検索したら見つからず。(本棚には「最後の瞬間のすごく大きな変化」があるので、その昔読んだはずなのですが。。。)表紙がホッパーなのよね。 中は短編集。というか、グレイス・ペイリーは長編は書かなかっ…

体験のあと/ガイ・バート  訳:矢野浩三郎

この「体験のあと」は途中まで読んでほっといてしまっていたのを読了。貸してくれた人がいろいろ説明濁していたわけがわかりましたよ。これ最後まで読むと、全然感想が変わるというか、もうジャンルが変わる(大袈裟か)。ものすごくうまく行っているかとい…

インディアナ、インディアナ/レアード・ハント 訳 柴田元幸

かなり長く「積ん読」していたものにようやく着手。 静かな静かな小説でした。 断片的な記憶や手紙の文章が並べられ、描写され。説明なしに語られるノアやオーパルやマックス、ヴァージル、ルービー…これらの名を持つ人物が何者なのかなかなか見えてこない。…

monkey business vol.1 野球号

柴田元幸さん責任編集の文芸誌。創刊号は「野球号」。そりゃ買うでしょう。 小川洋子(トラキチ)と柴田元幸(横浜ファン)の対談は面白かった。にやにやしました。ふつーに野球ファンの会話だものな。で、そのあと、柴田さんの「オースター、ノーマン、ファ…

猫とともに去りぬ/ロダーリ 訳:関口英子

随分前に、おすすめされて購入していたものの、すっかり積まれたままになっていた1冊。 ロダーリ、って知りませんでしたが、国際アンデルセン大賞を受賞したこともあるイタリアの児童文学(だけでないみたいですが)作家だそうです。風刺の効いた、にやりと…

幸福な無名時代/ガルシア・マルケス

ガルシア・マルケスが小説家になる前、コロンビアを出て、ベネズエラでのジャーナリスト・編集者時代に書いた記事を集めた一冊。面白かった。 ルポルタージュなのだけれど、何やらとても小説的で。ベネズエラでの軍事独裁政権の崩壊であったり、狂犬病にかか…

水と水が出会うところ/レイモンド・カーヴァー 訳:村上春樹

村上春樹翻訳ライブラリーの新刊だ。レイモンド・カーヴァーだ!と、買って、積んでおかれてた一冊。 あとで帯を見たらちゃんと書いてあったけれど、短編集ではなくて詩集でした。中見なかったんだなー。というわけでカテゴリーは翻訳「小説」ではないけれど…

エレンディラ/G.ガルシア・マルケス  訳 鼓直・木村榮一

「百年の孤独」をamazonで探していて、その過程で何冊かガルシア・マルケスを買ってしまいました。これはちくま文庫の短編集。幻想と現実の空気の層が幾重にも重なり合って不思議な像を見せてくれてるような。淡々と無茶苦茶な。そんな短編たち。1つめの「…

地図にない町/フィリップ・K.ディック 編・訳 仁賀克雄

これはディック幻想短編集と銘打たれております。確かにSFというより、一種ファンタジーぽいのも多い短編集でございました。ラビリンス博士による「名曲永久保存法」(裏の森は大騒ぎだ)、「万物賦活法」(元気な革靴)なんて、まさにそんな。好きだけど。 …

模造記憶/フィリップ・K.ディック 訳 浅倉久志他

すっかり滞っておりました。 引っ越して、通勤時間が一気に1/4くらいになったので、電車の中での読書が進まない日々。そんななか、今年もつづくSF…というかフィリップ・K・ディック。友人がたくさん持っていて。お願いして片っ端からお借りしております。感…

ディック作品集 マイノリティ・リポート/フィリップ・K.ディック 訳 浅倉久志

映画は未見。面白かったです。マイノリティ・リポート―ディック作品集 (ハヤカワ文庫SF)作者: フィリップ・K.ディック,Philip K. Dick,浅倉久志出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1999/06/01メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 54回この商品を含むブログ (76…

ディック傑作集〈4〉まだ人間じゃない/フィリップ・K.ディック 訳 浅倉久志

タイトルがすごいよね。ディック傑作集〈4〉まだ人間じゃない (ハヤカワ文庫SF)作者: フィリップ・K.ディック,Philip K. Dick,浅倉久志出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1992/04メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (17件) を見る

ワールズ・エンド(世界の果て)/ポール・セロー  訳:村上春樹

村上春樹翻訳ライブラリーの1冊。 舞台は世界各国、いろんなシチュエーション。「文壇遊泳術」なんて、日本人の近代作家も書きそうな話だ。皮肉たっぷりだけど、スマート。「真っ白な嘘」はなぜだかクリスティを連想。慣れ親しんだ村上春樹の日本語だからす…

ゴールデン・マン/フィリップ・K・ディック 浅倉久志・他訳

ディック傑作集3。「リターン・マッチ」、ほんと、筋が読めるのにどうしてこんなに面白いのかしら。「小さな黒い箱」を読んで、あれ、このマーサー教の話、どこかで読んだぞ?と。ワタシが唯一、くらいで読んだことあった「アンドロイドは電気羊の夢を見る…

時間飛行士へのささやかな贈物/フィリップ・K・ディック 浅倉久志・他訳

ディック傑作集2。SFハマリ、まだ続いております。ディックおもしろいー。 冒頭の「父に似たもの」から、ありがちなんだけど、わかってるんだけど、引き込まれるんだわ、これが。突飛な設定は確かにSFなのだけれど、中身は面白すぎる「小説」で、登場人物が…

2001年宇宙の旅 -決定版-/アーサー・C・クラーク 訳:伊藤典夫

最近の読書。メモのみ。映画の予備知識全くなく読んだ。珍しいことらしい。決定版 2001年宇宙の旅 (ハヤカワ文庫SF)作者: アーサー・C.クラーク,Arthur C. Clark,伊藤典夫出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1993/02/01メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 140…

ザ・ベスト・オブ・P・K・ディック I/ジョン・ブラナー編 訳:浅倉久志ほか

個人的SFプチブーム続き。フィリップ・K・ディックの短編集をお借りしました。サンリオSF文庫で!追記:これはすごく面白かった。あまりハッピーエンドじゃないんだけど。いやむしろ、どちらかと言うといちいち救いがない終わりだったりするんだけど、いや…

ベロニカは死ぬことにした/パウロ・コエーリョ 訳 江口研一

ブラジルの作家パウロ・コエーリョ。有名なのは「アルケミスト」ですが、ワタクシ、この本は以前読んであまりピンとこなかったのだよな。それよりは、ごく短い小説ですが、今回の方が良かったです。 舞台はスロベニア。大事件が起きたわけでも、悲痛さもなく…

うたかたの日々/ボリス・ヴィアン  訳:伊東守男

帯には「現代の最も悲痛な恋愛小説」。 でもそんなに悲痛な感じでもないよね…。最終的には悲恋というか悲劇なんだけど。…思い返すと、ちょっとひりひりするけど。 「きれいな女の子との恋愛と、ニュー・オルリンズかデューク・エリントンの音楽」だけが行動…

上海ベイビー/衛慧 訳:桑島道夫

「たちまち発禁処分を受けた中国の大ベストセラー」「ポルノか新人類文学か?」などとコピーのついた帯付きで友達にお借りした。日本でのこの文庫の発売は2001年だし、この煽りやらカバーやらは時代錯誤感が少々。 ココという破天荒な小説家の女性が一人称で…

ザ・ベスト・オブ・J・G・バラード?/J・G・バラード 訳 星新蔵

SF読みたいよ、と言ってたら貸していただいた一冊。サンリオSF文庫!のJ・G・バラード短編集。確かにSFなんだけど、ちょっとずれるというか、SFだけで片付けにくい一冊でした。宇宙は出てこないしな。物語の肝となる設定はSFチックなのだけど、登場人物た…

太陽からの風/アーサー・C. クラーク 訳 山高昭、伊藤典夫

SF巨匠の短編集。いやー。面白かった。 短い中に皮肉の効いたものあり、冒険活劇ありで全編楽しめましたが、特に太陽ヨットの話など、SF的発想の新技術や新ルールが設定された上で展開される物語のわくわく感が良かった。最後の木星探索の話は、ドイルの短編…