ロシアは今日も荒れ模様/米原万理

米原さんブームもひっそりと続いていたり。これは未読だったもの。表紙のマトリョーシカがかわいい。いつもの通訳としてのエピソードいろいろだけれど、これは特にソ連…ロシアという国に焦点を絞って書かれている。冷戦の終結ゴルバチョフエリツィンの人となり、そして国民らの姿勢や当時の考え方、現地でしかわからなかったことなど。国の指導者たる人たちの人間性をかいま見ることが出来た一級の通訳という立場だからこその米原さんの分析が冴え渡ってる。
いまもむかしも、個人的には決して親近感の持てる国ではないけれど、この本を読むと、なかなかどうして、面白味の有る隣人でもあることがわかる。どうしようもない酒好き、というのを紹介するエピソードのひどさと多さに笑った。
そしてやむを得ずついた嘘の通訳の話(アゼルバイジャンウォッカ)には唸らされる。咄嗟のときの頭の回転のはやさって、憧れるわー。

ロシアは今日も荒れ模様 (講談社文庫)

ロシアは今日も荒れ模様 (講談社文庫)