2006-01-01から1ヶ月間の記事一覧
長嶋有2冊目。短編集。この人の文章、好みだ。一編一編、雰囲気は結構変わるのだけれど、多かれ少なかれ「家族」が描かれるのが共通項か。図らずも「夜のあぐら」と「三十歳」の2編が独身同世代女性が主人公で、あー、と思わされ。大して年が変わらない(…
着想は面白い。よく耳にはするけれど、一度として見たことのないものたち、あります、というクラフト・エヴィング商會さんの商品紹介カタログ、かな。たとえば…堪忍袋の緒、左うちわ、思う壺、助け船、転ばぬ先の杖、目から落ちたうろこ、一筋縄、大風呂敷……
訳者あとがきにあった「雪崩を精緻なスローモーションで再現するような」(とアメリカで評されているというくだり)、おお、言い得て妙!そういう小説でした。ミステリ…と括っていいのかな?物語は、過去の一点に向けて回想をめぐらして収束していく形式。か…
だいぶ評判の一冊。友人に借りて、そして確かに一気に読みました。リリーさんの文章は敷居が低くて間口が広くて、入りやすい…と最近読んだ何冊かで理解してましたが、オカン…リリー・ママンキーなどと他のエッセイでは呼ばれていたりしたおかーさんの思い出…
雪の結晶の研究で著名な物理学者中谷宇吉郎さんのエッセイをあつめた「岩波少年文庫」。すっごく面白かった。雪の結晶の実験に関する話は読んだことあったかな、と思いましたが、とにかくそれ以外も文才があって、真摯に物理学に取り組んでらして、視線が暖…
趣向は違うけれど濃い目の本が続いたので、優しい感じのを。鯖の味噌煮をつくりながら「月のーさばーくをー さーばさばとー さーばのー味噌煮がー 行きましたー」と歌ってしまう作家のお母さんと、9歳のさきちゃんの2人きりの生活を綴った一冊。おーなり由…
著者は哲学や思想の人。東京を近世どころか古代まで遡って、沖積期洪積期の地形を地図にプロットしたものを元に語る東京論。都市史や建築史をやっていると、どうも人の手が入ってからの、遡っても太田道灌くらいの東京から考え始めてしまうのだけれど、勿論…
物語は3人の語り手によって紡がれる。 まず、作家水村美苗の一人称による「本格小説の始まる前の長い長い話」というタイトルの序章。アメリカで過ごした少女時代の「東太郎」との関わりが語られます。「私」は成長し、小説家となり、アメリカの大学で教えた…
2005年振り返り、を書きながら思い出したこと。 挙げた「翼はいつまでも」。あるバーのマスターが勧めてらした本で、この本の受け取り方は、その方にとって人を見るリトマス試験紙になる…と捉えようによっては怖くなってしまう一冊として挙げられてたんだ。…
雑誌の特集であれば12月号でやらねばならないような、振り返り。ごくごく個人的読書好みから、去年読んだ本の中で印象深かったものを思い出してみる。ちなみに新しく読んだ順になっております。取捨選択、悩んだけれど、インパクトが強かったもの、好みで気…
ふたりの、最初で最後の対談集。対談だから交互に喋ってるわけなのだけど、発言の頭についてる「リリー」「ナンシー」を何となく読み飛ばしてしまうもんだから、「リリー」が喋ってるつもりで読んでると、「ナンシー」の発言だったり、その逆も何度も。文章…
[独白]新年あけましておめでとうございます。 はてなのデザインを変えてみました。 ついでにコメント欄もつけてみました。 おすすめ本を教えてもらいたいです。 が自分サイトのbbsとごちゃごちゃしそうになったら また止めるかもしれません…。大晦日に地元で…