月の砂漠をさばさばと/北村薫 画・おーなり由子

月の砂漠をさばさばと (新潮文庫)
趣向は違うけれど濃い目の本が続いたので、優しい感じのを。鯖の味噌煮をつくりながら「月のーさばーくをー さーばさばとー さーばのー味噌煮がー 行きましたー」と歌ってしまう作家のお母さんと、9歳のさきちゃんの2人きりの生活を綴った一冊。おーなり由子さんの水彩の挿画がとても雰囲気が合っていて、よい本になっている。
くすりとさせられたり、じんわりしたりですが、よくある「友達親子」と括られてしまうような浅さじゃない。とてもとても深い親子の繋がりが優しくて、子が親を思う、親が子を思う気持ちが暖かい。これ読むとやはり作者は女性だと思ってしまいそうだよ。
さばの味噌煮が行ーきーましたー …これから鯖ミソ作るときは思い出さずにいられない気がする。。。解説が梨木香歩。これもなかなかよかったです。でも北村薫の全作品を読んでること前提の解説ではあったかなあ。