東京タワー／リリー・フランキー

だいぶ評判の一冊。友人に借りて、そして確かに一気に読みました。リリーさんの文章は敷居が低くて間口が広くて、入りやすい…と最近読んだ何冊かで理解してましたが、オカン…リリー・ママンキーなどと他のエッセイでは呼ばれていたりしたおかーさんの思い出を綴ったこの小説は、思いの外、高尚。いい意味でですが、たまに無理をしていないか？とも。いやでも、どちらもリリーさんなんだろう。
幼少時最初の記憶から現在までほぼ時系列に綴られるので、読んでるほうは親子の関係をずっと追うことになり、どんどん感情移入しがち。自分が恥をかくのはいいけれど、人様にかかせては絶対いけない…というようなオカンの強く優しい姿勢が素敵だ。肉親の死は悲しくて当たり前なのだけど、でも基本的には抑えた描写が続く感じがしました。なんだろうな。リリーさんは爆発するように泣きじゃくったりしているのだけど。そして勿論ワタシも泣かされたのだけど。
今日ちょっといろいろあり、本の中で別世界に没頭出来て良かった。しかしまた親に対して不甲斐ない自分を自覚する出来事もあって、凹んでもいる。せめてどこまで頑張れるか。