大正二十九年の乙女たち/牧野修

twitterでどなたかが書かれていて気になったので買ってみた。牧野修というのは普段はホラー作品を書いている方だそう。この「大正二十九年の乙女たち」ではちょっと猟奇的な描写もあるけれど、大部分は時代モノ青春小説というかなんというか。
大正二十九年という架空の時代…昭和だと十五年にあたる、戦火が迫りつつある時期を設定して、逢坂女子美術専門学校という寄宿制の女子校を舞台とする4人の少女のおはなし。老舗の娘だったり社長令嬢だったり男性をも打ち負かす武道の達人だったり不治の病に冒された美少女だったり、何かと「天才的」なひとがたくさん出てきたり、あとは街を賑わす猟奇殺人の噂と謎解きと。絵画に打ち込む学生生活と、章ごとに視点を変えて語られるそれぞれの私生活と、殺人事件。ちょっとなんというか漫画的な人物設定や話の運び方で、すんなり読めたとは言いがたいけれど、読み終えて、スッキリする感じはあるかな。漫画にしたらいいのではないかいな、とも思う。