阪急電車/有川浩

これも帯には「100万部突破の大ベストセラー!」の文字が踊り。眉に唾付けながら開いたのですが、こちらは面白かったです。普通に。よい本だ、と思えた。大作ではないので、がっつり読書欲有るときには物足りなさそうですが、ほどよく空腹感が満たされてとても美味しいカフェめしみたいな感じ。←どんなだ。

阪急今津線の駅名がタイトルになった短編が並ぶ。電車が進み、駅につくごとに、もしくは電車内で起こるものごとを紡いでつないで行く構成。登場人物も若いカップルから女子高生、おばあさん、OLまでさまざまだけど、年配の男性は出てこないなそういえば。それぞれのストーリーが絡み合ったり、それぞれの主役たちが袖すりあったりして電車が進み、しばらくして、また引き返す。
性善説。登場人物が気持ちのいい人ばかりで、それはえてして軽口になってしまいそうだけれど、結構読めた。すっきりする話が多くて読後感爽やかなので、もうそれだけでいいや。
阪急今津線、乗ったことはあるけれど、一回か二回てとこだよな。沿線や電車の雰囲気がしっかりわかる関西の方々にとってはより一層楽しめるのだろうな。
ほかも読んでみたい作家となりました。解説は児玉清さんだった。

阪急電車 (幻冬舎文庫)

阪急電車 (幻冬舎文庫)