がんばりません/佐野洋子

本屋寄ったら佐野さんの追悼フェアみたいなのをやっていたので、エッセイを一冊購入。相変わらずの佐野さんのあっさり赤裸々、素のまんまな文章ににやにやしながら読破。前に書いたけれど、高校生の頃読んで、すっかり、なんというか、気持ちの上で「意気投合」したのでしたよ。今回のこのエッセイも、うんうん深く頷きながらおしゃべりを聞いていた気分でした。私には佐野さんのような、これ以上ないくらいの貧乏生活のような経験もないし、細腕一本で生計支えるわけでもないし、年代だって全然違うし…なのはわかってるけども、何か、しっくりくるの。男性の好みも、きっとけっこー似てる。

書き出したメモから引用いくつか。

誰もがそれぞれの疲れを持っていた

平泳ぎをするとどんどんバックをしてしまう友達が居る。

閑つぶしであるから、活字はバック・グラウンド・ミュージックと同じで、教養にも知性にもなってゆかない。娯楽であるから、その時がもてばよいのである。

「『嫌われて長生きしたくはなけれども可愛がられて死ぬよりはまし』っていうの知ってる?」

印象に残ったのは、葬式が好きという話と、オートバイは男の乗り物であるという話。解説はおすぎ!

がんばりません (新潮文庫)

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