恋人たちの誤算/唯川恵

先月、旅先でお借りしました。25歳女子たちが主人公。弁護士事務所で働く、独立心旺盛な流実子と、お嬢様育ちで一流会社のOL侑里の、それぞれの仕事と恋愛とが並行して描かれて、途中途中でそれが交わって、最後に…収束。ふたりとも、方向は違うけれど、思いこみが激しい。必死に客観視しようと自分に言い聞かせ、立ち止まることもしているのだけど、結局は突っ走るんだな。そのへんが何やらすごいなあ、と。身近にはあまりいないタイプ。…と思っていますが。どうかな。棚に上げてますか。自分。
ふたりは高校の同級生という設定だけど、高校生くらいになると、自分とそこまでタイプの違う友達とつきあうかな?とかどうでもいいことが気になったり。さーっと読めてしまって、それなりに引き込まれて面白いんだけど、あまり後味が良くない。ううむ。流実子が自分の書いたものを読んで貰うためにする小芝居?(結局ミイラになるのですが)と、ラストの修羅場が(これネタバレになるだろうか)うまいなあ、という感じでした。一番キモチワルイ登場人物は、ふたりの同級生の淳子です。おまえは何がしたいんじゃ!

恋人たちの誤算 (新潮文庫)

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