古道具 中野商店/川上弘美

ひさしぶり川上弘美。東京近郊(イメージとしては中央線沿線)で中野さんの営む古道具屋で働くわたし、店員仲間?のタケオ、中野さんの姉の芸術家マサヨさん…が主な登場人物で。淡々と過ぎる日常をわたし目線でたらたら綴ります。「わたし」は「ヒトミ」。中野さんの愛人は「サキ子さん」と、身近な友人と同じ名前がふたりも出てきて不思議な感じ。ヒトミもサキ子さんも、友人像とは似ても似つかないひとですが。
「わたし」ヒトミのだらだらぶりと、タケオに対しての理不尽ぶりは、ひとごとではあるけれどなかなか面倒くさい。変だけど一番まともそうなのはマサヨさんだろうか。古道具屋の商売ぶりや、値付けのテキトウさ、「せり」の情景なんかは普通に面白かったです。

古道具 中野商店 (新潮文庫)

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