時代

算法少女/遠藤寛子

江戸時代、実際に出版された「算法少女」という算数(数学)読本があるそうです。父に算法の手ほどきを受けた「千葉あき」というむすめが著したとされています。この小説は、実在する「算法少女」をもとに、架空の人物と実在した算法家とを登場させて創作さ…

王家の風日/宮城谷昌光

学生に借りました。中国時代モノ。600年に及び栄えた古代中国の国、商(殷)王朝の最期を描く歴史小説。宮城谷昌光を初めて読んだのですが、力強く物語りを紡ぐ、というのと違って、作家主観での調査の結果が反映されてるような文章が不思議でした。歴史書で…

蒲生邸事件/宮部みゆき

後輩くんに何冊かおすすめを借りた中にあって、全く予備知識なしに読みました(裏表紙の筋書きすら読まず)。それで面白かったから、ここで感想書くと根本的な設定について触れないわけにはいかないので、どうしようかと思う…。。。…それがイヤな方は、ひと…

無事、これ名馬/宇江佐真理

町火消し「は組」の頭、吉蔵と、その妻お春、娘お栄、娘婿で「は組」の纏持ち由五郎。その家庭に弟子入り志願する武家の息子太郎左衛門が、幼子から青年になるまでの吉蔵一家とのつきあいや、人間模様を綴る一冊短編読み切り。 お栄の想い人であった幼なじみ…

うそうそ・ちんぷんかん・いっちばん /畠中恵

とりあえず、読んだ本メモうそうそ しゃばけシリーズ 5作者: 畠中恵出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/11/27メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 9回この商品を含むブログ (100件) を見るいっちばん しゃばけシリーズ 7作者: 畠中恵出版社/メーカー: 新潮…

おまけのこ/畠中恵

四冊目。着々と。 三冊目「花かんざし」で登場の於りんちゃんと、お雛さんがまた登場。こういう、後になってまたあのときの話と繋がりが…、みたいなのが多いのは、シリーズ読者には嬉しい仕込みですよね。いやだから。サービス上手なんだよなー、この作家さ…

ねこのばば/畠中恵

三冊目。今更気づくけれど、1冊目だけ長編で、その後は短編集なのね。 貧相な奉公人が福の神か!?という「茶巾たまご」は皮肉もあってよし。佐助の過去のものがたりも、「仁吉があったなら佐助の話も読みたいわー」と思う読者(女子)ココロをわかってらしゃ…

ぬしさまへ/畠中恵

二冊目。短編がいくつか。前作ラストで話題に出て気になっていた、腹違いの兄「松之助」がきちんと描かれる。これまた優しい筆致で。三人称で書かれているのだけれど、一人称なひとりごとが普通に挟まれて、なんだか不思議な文章。ついつい引き込まれてしま…

しゃばけ/畠中恵

ファンタジーノベル大賞優秀賞。単なる時代ものではなく、妖怪…妖(あやかし)たちが出てくるところが、ファンタジー? でも、江戸の風物、町や人の描写がナチュラルにとてもうまくて、建物にしろ、日本橋の通りにしろ、かなり鮮やかに情景が思い浮かぶ小説…

吉原裏同心(七)枕絵/佐伯泰英

あら。今回も道中モノです。でも前回のタイトル「遣り手」が、その後のものがたりの発端としてラストまできっちり繋がっていたのに対して、今回の「枕絵」(春画)は読み切り的な話の題でした。あ、旅に出る前に、同郷の出で、幹次郎らが長屋を世話した甚吉…

吉原裏同心(六)遣手/佐伯泰英

シリーズ六冊目。そろそろ停滞気味か?というところで、やりますね(エラソウ)、幹次郎、旅に出ます。吉原の表と裏とを隅々まで物語る仕掛けを少々休んでの道中モノ。評判の「遣り手(やりて)」であったおしまが殺され、その事件解決から物語は始まり。そ…

吉原裏同心(五) 初花/佐伯泰英

…読み終えて時間がたってしまって。ええと今回はあれだ、豊後国岡藩で幼なじみの甚吉が、リストラされて困っているのを、長屋を見つけて世話してあげるくだりが随所にはさまりつつ。文使いの正五郎が事件に巻き込まれて殺されて、その隠されていた娘との事件…

吉原裏同心(四) 清掻/佐伯泰英

清掻(すががき)とは、ここでは吉原で奏でられる三味線のしらべ。広辞苑にも載っていました。「江戸吉原で遊女が張見世に出る時、その合図に弾いた曲」。その清掻きの名手、おまんが吉原から身請けされることになり…というものがたりに、吉原の事実上の乗っ…

吉原裏同心(三) 見番/佐伯泰英

吉原裏同心シリーズ、三冊目。佐伯泰英という作家は、スペインを舞台にした小説で名が売れた人だそうですね。少々停滞期に、これからまた売れるには、時代ものか官能ものしかない、と云われて時代小説に手を染めた(と云うのか?)そうですが、小気味よい語…

吉原裏同心(二) 足抜/佐伯泰英

シリーズ二冊目。ここからはじっくり舞台は吉原。足抜というのは、吉原の女郎が、年季を残して逃げ出すこと。脱獄…に近い雰囲気。相次ぐ雲隠れのような足抜の、謎解きと問題解決のために幹次郎と汀女が活躍ということで、「吉原裏同心」らしい働きぶりです。…

吉原裏同心(一) 流離/佐伯泰英

ただいま実家の両親がはまっている佐伯泰英。ずらりと並ぶ本棚から(気に入るとひたすら買う&読むのは親譲り)吉原裏同心シリーズというの、2冊借りてきました。両親絶賛のテンポの良さ、キレの良さはなるほどという感じ。引き込まれます。 先日鎌倉まで往…

天切り松闇語り 4 昭和侠盗伝/浅田次郎

このシリーズ、とても気に入っているものの、文庫になるまでいつも待っていたのですが、今回は親が図書館で借りてきていたのを拝借。話は一気に震災後に飛び、そうして松蔵と安吉親分が住んでるのが同潤会の青山アパートでございますよ。びっくり。書生常は…

輪違屋糸里/浅田次郎

久しぶりの浅田次郎。新撰組芹沢鴨、近藤勇、土方歳三…といったお馴染みの面々を、新撰組の浪士がお世話になっていた家々のおかみさんや、芹沢の愛人となった女性、そして島原の女達を通して通して描いている。 輪違屋というのは島原の置屋。糸里はそこの芸…

さらば深川―髪結い伊三次捕物余話/宇江佐真理

そしてシリーズ三作目。山場のひとつは不破との関係修復。潔い不破の態度にじーんと感動。そして「この先、何が起ころうと、それはわっちが決めたこと、後悔はしませんのさ」…と文吉姐さんのかっこよさがにじみ出る最後の一編がよかったです。 文吉の言動に…

紫紺のつばめ―髪結い伊三次捕物余話/宇江佐真理

髪結い伊三次ものの二冊目。話が面白く、人物も魅力的でよいです、このシリーズ。今回は大波乱あり、せつないのあり。八丁堀の同心不破との間に大きな亀裂が生じることに。幼なじみの死もあり、深川芸者の文吉ともうまくいかなくなるし、読みながら少々胸が…

鬼平犯科帳 21/池波正太郎

細川峯五郎がまた探索方に戻ってくるきっかけとなる「泣き男」から始まって6篇。「瓶割り小僧」は平蔵若き日に、そこいらの悪ガキだった少年が盗賊となって捕らえられたところから始まるちょっと珍しい話。 「麻布一本松」は前巻「助太刀」から繋がるんだけ…

鬼平犯科帳 22 特別長編 迷路/池波正太郎

いま最後4冊をまとめて感想書いているのでアレですが、この巻が一番の傑作だと思いました。全編にわたる緊張感がたまらない。鬼平の魅力と、部下たち、密偵たちとの厚い信頼の揺るぎなさが、素晴らしいのですよ。ここまで20冊以上読んできたがゆえに登場人…

鬼平犯科帳 23 特別長編 炎の色/池波正太郎

長編の前にひとつ「隠し子」。平蔵の父に隠し子がいた…ということで23巻目にして平蔵の異母妹が登場ですよ。びっくり。関係を明かされぬまま役宅へ引き取られた妹お園は、長編「炎の色」でも活躍、という筋書き。 峰山の初蔵という侮れない男や、荒神の二代…

鬼平犯科帳 24 特別長編 誘拐/池波正太郎

鬼平、最終巻。…てことを意識せずに読み始めてしまって(なぜか勘違いしてこれが23巻だと思っていた)、長編の最後が「作者逝去のため未完」になっていたときの衝撃と来たら!!電車の中で「嘘っ!」と叫びそうになりましたよ…。長編の前に「女密偵女賊」「…

鬼平犯科帳20/池波正太郎

読書記録がちょっと偏ってきたかしら。近頃江戸づいております。鬼平も20冊目。…ああ終わるのが惜しい。終わったら読み返せばいいか。勿論まだ一通り読み終えていないのに読み返してはいないのですが、この巻の「助太刀」という話、あれ、なんか前に読んだ?…

ときめき砂絵?なめくじ長屋捕物さわぎ/都築道夫

ISBN:4875191413 時代モノです。時代小説好きなお姉さんたちとお会いしたときに、話題に出た「なめくじ長屋」シリーズ。たくさん出ているのだけど、何が最初なのかわからず、テキトウに入手…角川文庫と光文社文庫で出ているのかな。混乱。 鬼平と全く違って…

鬼平犯科帳19/池波正太郎

そして黙々と鬼平。ちまちま記録しているのは、勿論後で読み返すときにどの巻にどの話しが入っているのかわかるようにするため。のハズだったけど、あまり中身に触れてないな最近。「霧の朝」に出てくる桶屋の女房「おろく」は好きなキャラです。美人で威勢…

鬼平犯科帳18/池波正太郎

新装版 鬼平犯科帳 (18) (文春文庫) 今月なぜだか読書が進んでおりませぬ。そんなときは鬼平。←? 前巻の長編の最中起こっていた事件を短編で…ということで、権兵衛酒屋に詰めてた五郎蔵とおまさはあまり出てこない18巻。新同心キャラ細川ってのが、緊迫して…

鬼平犯科帳 16、17/池波正太郎

ISBN:4167142686 ISBN:4167142694 16巻 木村忠吾がようやく身を固めます。同心の娘「おたか」との婚前の様子と新婚ぶりが出てくる。ちょっとしっかりしたと思ったら、すっかりのぼせあがってる描写で、こういうキャラなのだなあ。と。あとはあまり印象に残る…

鬼平犯科帳 13、14、15/池波正太郎

ISBN:4167142325 ISBN:4167142333 次何を読もうか迷う間に鬼平3冊。 13巻 「墨つぼの孫八」は何やら可哀想な話。「春雪」はあまりおもろくなかった。「一本眉」は木村忠吾が、一本眉の盗人に気のいい浪人と気に入られたりする。悪い盗賊やっつけちゃうし。…