随筆

イザベラ・バードの日本紀行 上・下 /イザベラ・バード 訳 時岡敬子

今年の春に出た、文庫、新訳による完全版。ちゃんと読むのは初めて。上下巻のボリュームもさることながら、文字数も多い。じっくり読みたいのもあり、えらく時間がかかりました。 1878年・明治11年の日本を訪れたイギリス人の女性旅行家であるイザベラ・バー…

思い出したら、思い出になった。/糸井重里

ほぼ日の、トップに書かれてる「今日のダーリン」「ダーリンコラム」からの選りすぐりをまとめた一冊。 教訓ぽいのはイヤだけど、言葉の魔術師というか(クッサイなあ)、なんつうか、糸井さんの言葉だからか、重たくなくて、やらしくなくて、だいたいしっく…

白洲正子自伝/白洲正子

白洲正子に白洲次郎、なんだか、数年前(から?今も?)にひそかにブームではありませんでしたか。ワタシはきっかけを知らないのだけれど、本屋で多くの関連書籍を見たように思います。そう、本屋の、面出しされてる本で知った名前。その後も生半可な知識だ…

野球の国/奥田英朗

スゴイタイトルだなあ、と、先日の「延長戦に入りました」を買うとき隣にあったのを一緒にレジへ。 こちらは最近、2000年入ってからの、「野球観戦目的のひとり旅」エッセイ。最初が、シーズン前のキャンプを見に2月の沖縄へ飛ぶってんだから羨ましいです。…

延長戦に入りました/奥田英朗

奥田氏が熱心な中日ファンなのはこちら↓で承知 http://d.hatena.ne.jp/ka_ya/20061112 で、そんな作家さんの、10数年前のスポーツエッセイというか、ぼやき。スポーツと関係ない話もあったかな?語り口がちょっと軽いのが引っ掛かったのですが、それはここ数…

文房具56話/串田孫一

旅先の京都、しかも雑貨屋で購入。串田孫一さんが、文房具についてあれこれ語る56編。好きそうでしょ。好きでした。はい。 はじめの「帳面」(ノート、じゃなくて帳面)から、「ペン先」とか「アルバム」とか。「ぶんまわし」はコンパスのこと。これははじめ…

湯ぶねに落ちた猫/吉行理恵

表紙イラストと解説が浅生テルミン。吉行理恵は吉行淳之介と吉行和子の妹。吉行エイスケとあぐりの娘。淳之介も和子もエイスケもあぐりも知ってましたが、理恵さんは知りませんでした。勉強不足。2006年に66歳で亡くなっている。「湯ぶねに落ちた猫」は亡く…

三崎日和 いしいしんじのごはん日記2/いしいしんじ

ここ2年くらい、webのごはん日記をつらつら読み続けております。今回のごはん日記2、は2003年の記録なので、未読。でもゆっくり読んでいるのと、リアルにwebで読んでいるのと(webの方も数ヶ月遅れだとかなんだけれど)、たまに混ざってたりいたしました。…

いつも旅のなか/角田光代

ひたすらに、世界各国を旅して歩いた旅行記エッセイ。ありきたりな観光地というよりは、かなりの僻地や、何にもない普通の街なんかをひとりで彷徨っているのが多い。バリ行き直前に貸して貰って、あ、バリもあるじゃん、と読んだけれど、そのバリ旅では現地…

幸田文 (ちくま日本文学005)

去年の暮れくらいから出ている、筑摩の文庫版文学全集の、幸田文。ちょうど第一期5冊が同時に出たときに本屋で平積みになっていたので、この幸田文と内田百けんを買ってたのでした。積まれてましたが…。 前半に短編を幾つかと、後半は随筆中心の盛りだくさ…

猫町/萩原朔太郎 山口マオ

山口マオ氏の私家版のため、amazonはありません。倉敷の蟲文庫http://homepage3.nifty.com/mushi-b/で購入したB5サイズ40ページくらいの本。絵本…ではないかな。萩原朔太郎の、短い短い小説、いや随筆、に、山口マオさんの版画が添えられている。小説か随筆…

走ることについて語るときに僕の語ること/村上春樹

2回読み返しました。カテゴリ随筆、は村上春樹自身エッセイではないと言っていたので、保留しつつ。 感想はあとで。走ることについて語るときに僕の語ること作者: 村上春樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/10/12メディア: 単行本購入: 22人 クリック…

オンリー・ミー 私だけを/三谷幸喜

三谷幸喜がちょうどいまの私くらいのときの年齢で書いたエッセイ。舞台はあまり見ない…と言いながら珍しく何作か見ているくらいには三谷幸喜ファンですが、そしてエッセイも何冊か読んでいるのですが、リアル三谷幸喜と友達になりたいかというと…微妙。って…

4時のオヤツ/杉浦日向子

いわゆる「老舗のお菓子」の紹介本なのですが、それぞれのお菓子ごとに、杉浦日向子の筆の冴えた戯曲のようなものがついている。友達、夫婦、叔母姪、恋人etc.のものがたりが、ほぼト書きと会話のみで、数ページ。浪花屋のかき氷とか、うさぎやのどら焼きと…

片想いさん −恋と本とごはんのABC/坂崎千春

ものすごく好き…というわけではないけど、その時々ではまるキャラクターというのがあって、ここ数年は間違いなくSuicaのペンギンがお気に入りなのでありますが、そのペンギンを描いているイラストレーター坂崎千春さんのエッセイ。テーマはタイトルそのまん…

猫の神様/東良美季

東良さんのblogに出会ったのは一昨年くらいだったろうか。 http://jogjob.exblog.jp/ AVライター…だなんて、ご縁のないご商売の方でありますが、この方の文章を、これまた当時blogをよく読んでいた音楽ライター(評論家?)の能地さんが褒めてらしたんだよな…

底のない袋/青木玉

論文から無事解放されました。ここ数日、地に足着いてません…。 本屋でごそごそ買い込んだ中からまず読み終えたのはこれ。青木玉さんのエッセイ。母である幸田文も大好きな作家なのですが、その一人娘にあたる玉さんの文章もとても好んでおります。 年配の、…

父の詫び状/向田邦子

誕生日にいただいた本その2。向田邦子のエッセイは初めて。小説は数冊読んだけれど、ドラマの脚本家という職業柄なのか、良くも悪くもあざとさみたいなものが気になっていたのと、好みよりは少々湿度が高くて、それほど熱心な読者ではなかった。で、エッセ…

いしいしんじのごはん日記/いしいしんじ

お気に入り作家いしいしんじさんがwebで連載している http://www.mao55.net/gohan/ 「ごはん日記」を本にしたもの。webで読んでるんだし、いいか、と思っていたけれど、結局あたまからまとめて読めるのが良くて買ってしまったー。中身は日記です。三崎の一軒…

もの思う葦/太宰治

太宰治の随筆というのは全集以外にはあまり取り上げられていないそうで、これは解説をしている奥野健雄という人が編んだ文庫随筆集。さまざまな媒体に発表したこまかい随筆や、井伏鱒二の全集発刊に寄せた編者としての文章、そして戦後の「文壇」の連中に激…

ボクの音楽武者修行/小澤征爾

1961年、26歳の小澤征爾が綴った、ヨーロッパ・アメリカでのまさに「武者修行」の記録。滞在先から日本へ送った数々の手紙と、その間を埋める文章で構成される。数々のコンクールを総なめにしてステップアップしていく部分だけを見たら、まさしく天才!とも…

きょうも、いいネコに出会えた/文・写真 岩合光昭

動物写真家岩合氏が日本全国行脚して撮った日本の猫の写真と、簡単な文章。文庫でフルカラーです。文庫だから、写真は小さいし、けっこう引き気味の画が多いので、ものたりないかも…と思ったのだけれど、ページをめくっているうちに日本のまちの猫たちから目…

神々の食/池澤夏樹  写真 垂見健吾

池澤夏樹が沖縄で暮らしていた頃、飛行機の機内誌で連載していた沖縄の「食」に関するエッセイ。ハワイ、沖縄、と移住して、そのあとヨーロッパに住んだりしている池澤さんは、その土地に謙虚に臨む。言葉や風習について新参者が語るのはおこがましいけれど…

吉行淳之介エッセイ・コレクション1 紳士/吉行淳之介 ・編 荻原魚雷

ヨシユキさんのエッセイ集。これは「紳士」編だということで、主にお酒の席でのたしなみだとか、麻雀の話だとか、ファッションの話だとか。この方ならではの奔放な遊びぶりとダンディズム(この言葉についても面白い話がひとつ)が小気味よい筆致で描かれて…

大槻ケンヂのお蔵出し 帰ってきたのほほんレア・トラックス/大槻ケンヂ

お借りした一冊。中身は「まえがき」に全部書いてある。エッセイ、対談、なぜか写真、人生相談、ライブ中の即興詩。本人いわくの闇鍋本。まあそんな感じでした。エッセイは「これ、マニアックすぎんなー」か「エッ?俺、そんなの書いていたっけ。忘れてた」…

文章読本/谷崎潤一郎

タニザキが語る文章論。小説に限った話ではなく、日本語で文章を書くことに主眼を置いて、さまざまな引用(源氏物語、更級日記、城の崎にて、即興詩人etc.)を交えながら上達法や用語、調子、文体、体裁、品格そして含蓄…と項目を取り上げていく。丁寧な口語…

遊覧日記/武田百合子

ISBN:4480026843 武田さんが、娘の花さん(文中では「H」)を連れて、ふらりふらりと出かけた様子を綴ったエッセイ。写真を花さんが撮っている。代々木公園だったり、不忍池だったり、花屋敷だったり、京都まで足を運んだり。 隅田川で桜を見る話。きっかけ…

貧乏サヴァラン/森茉莉

「サヴァラン」はフランスの美食家の名前ブリア=サヴァランから。グルメ…いえ、くいしんぼうであり、家事はひたすらに不得手だけど料理だけはする森茉莉の、食に関するエッセイを集めたもの。 フランスでの贅沢生活の話、森家での話、結婚時代の山田家での食…

耳のこり/ナンシー関

鬼平の傍らでナンシー関。いや、貸して貰ったのでうきうき読んでしまいました。ナンシー関というのは、そうそう、こういうのだよな、うんうん、と。浅い知識しかなかったワタシが納得する一冊でした。著名人をひたすら斬ってゆきます。だいたい2000年頃の話…

三谷幸喜のありふれた生活4 冷や汗の向こう側/三谷幸喜

どうでもいい話から入ります。ワタシ、これ1〜3まで持ってるんですよ。そしてそれらを父に貸したことがあったの。4も勿論買うつもりだったの。ただ、ちょっと忘れていて、数日空いてた…ら、父が買ってた!「ほら」と貸してくれたのですよ。嬉しい。嬉しいの…