随筆

モロッコで断食(ラマダーン) 上・下/たかのてるこ

普通の会社員…の方の、学生最後の卒業旅行の旅行記、です。だから会社員(東映!)になる前の話。卒論を書き終えて一人で旅に出る。パリからスペイン、そしてモロッコ、サハラ砂漠。スペインで誕生日に着の身着のままでスキーをしたり、モロッコで襲われたり…

美女と野球/リリー・フランキー

およそ10年前のリリーさんのエッセイをまとめた一冊。電車の中で隣の人に覗き込まれたら、ページによっては「ひー」と赤面しそうな。いやページによってはというか85%くらいそんな(チン毛とか連呼…)。ほかバカタレントとバカ女子高生切って捨ててみたり。…

問いつめられたパパとママの本/伊丹十三

中央公論社の編集者だった村松友規氏が依頼して始めた連載をまとめたという一冊。今までの多方面渡り歩きエッセイとは異なって、これは理科系読み物。表題通り、子供に「どうしてどうして?」と問いつめられたときのパパとママの答えが、これはとんちなどじ…

再び女たちよ!/伊丹十三

また買ってしまった。読み始めると止まらないな。変わらずのエッセイ集です。今回はネコに関する話がいくつか。猫好きなんだなあ。飼ったことないくせに(しかも猫アレルギーっぽい)猫との暮らしに憧れるワタシにとっては、伊丹さんとこの「黄金丸」のかし…

日本世間噺大系/伊丹十三

3冊目。これは昭和51年初版。今までのものよりもうすこし脈絡なくいろいろな話を集めている。いつもの調子のエッセイと、短編小説みたいなのと、あとインタビュー記事だったりレポートだったり…これは全部リアル?なんだよな? 伊丹さんに抱いたイメージそ…

女たちよ!/伊丹十三

すっかりはまってしまった。伊丹さん。痛快で気持ちよい。うはは、と笑ってしまう。 やっぱり偉そうなんだけど、素晴らしい。解説池澤夏樹氏も言ってましたが(2005年 再版での解説)、やはりこれを昭和40年代前半に書いていたというところがすごいん だろう…

ヨーロッパ退屈日記/伊丹十三

面白かった。とても。名著の文庫化、ということですが、伊丹さんが文章うまいのは知っていたけれど、こんなに洒脱だとは。そうして商業デザイナーしていたというのも聞いたことあった気がするけれど、こんなにイラストも上手だとは。初版が昭和40年だという…

記憶の絵/森茉莉

ISBN:4480025987 一枚一枚記憶をめくっては描き留めた絵のような、短い短い随筆集。つらつらと話しかけるように綴られる。森茉莉さんという方は、なんかこう、想像ではもっと気取った、貴族趣味の、きれいきれいな女性のイメージだったけれど、これを読んで…

明るい旅情/池澤夏樹

こちらはエッセイ。旅にまつわるもろもろの総集。いや。最近、池澤夏樹ブームですっかりハワイに魅せられており。あと音楽繋がりでブラジルに惹かれており。教授の思いつきでベトナムで盛り上がっており。ああー旅したいなあ、というところで読んでしまった…

母なる自然のおっぱい/池澤夏樹

すごいタイトルだよね。いやいいんですが。中身はノンフィクション。幾つかの雑誌に書いた文章をまとめたもの。でもテーマは一貫している。「自然」と「人」だ。正直、小説と比べたら読むのに時間がかかった。でも時間をかけた、とも云いたい。面白かったの…

老人とカメラ 散歩の愉しみ/赤瀬川原平

赤瀬川老人が日本全国津々浦々で撮り貯めた写真の中から、ちょっとおかしい、ちょっと侘び寂びを感じさせる、ちょっとちょっとちょっとー!だったりするものを掲載。それぞれに短いコラムがつく。コラムというか。なんかもうショートショートというか。完結…

上り坂下り坂/青木玉

青木玉さんのエッセイ。いろんな媒体に発表されたのがまとめられています。ココロ洗われます。母・幸田文没後10年で考えたこと。思い出。4代に渡って住み続けている小石川の描写。草木自然への思い。ゆったりしたうつくしい言葉。巳年・年女のときの年賀…

優柔不断術/赤瀬川原平

なんで池澤夏樹とか青木玉とか浅田次郎とか書いてて先に赤瀬川原平か。って、ワタシの読書は2冊以上の併読というのがよくあるからですな。はい。というわけで今鞄には文庫が3冊入っている。無駄に重いです。 赤瀬川さんは、藤森照信氏の「ニラハウス」の施…

ことばの食卓/武田百合子

ISBN:4480025464 ワタシの周りでちょっと前にひっそり流行っていた?武田百合子さんの随筆短編。初めて読みました。とても素敵な文章。って陳腐だな。もっと、こう。なんて言えばいいのだろうか。すっきり、しっとりしている。じめじめではなく、日本語がと…

シーラカンス/いしいしんじ

最近数少ない「単行本」で買う作家であるいしいさんの、たぶん処女作?。作家となる前、南の島へシーラカンスを釣って食べる!為に出かけた旅行の記録を、近しい友人らに刷って配った…ものをまた本としてまとめたものらしいです。小説ではなく旅行記。えらく…

えっち主義/菜摘ひかる

元風俗嬢である菜摘さんの、赤裸々な性に関するエッセイ数々。本屋でぱらら、と見たときは実際に「現場の人」だとは思わず。一般カタギ女性の濃い告白なのかと思ってしまった。女性誌なんかでも偶に見ていたお名前ですが、そうか、そういうお仕事されてたの…

新編 酒に呑まれた頭/吉田健一

ISBN:4480030212 英米文学者・文芸評論家であり小説家でもあり、ケンブリッジを中退していたり、そして元首相吉田茂の子息であったり、の吉田健一氏の随筆。本屋でふ、と手に取っただけの一冊ですが。面白かった。すごく舌に合う文章。★5つですわ。 軽妙洒…

続百鬼園随筆/内田百ケン

でー、続、を読みました。続の方が真面目な感じです。怒ってる文章とかあるし。そして若ーーいときの作品も収録。17歳のときのモノとか。とてもそうは思えませんわ。老成。 夭逝した友人や恩師を悼む文章がいくつかあるんですが、しみじみと沁みて。そうして…

百鬼園随筆/内田百ケン

百ケン先生のケンの字(門がまえに月)は出せないのですな。知らなかった。というわけで読みかけでうっちゃられてしまったのは百鬼園先生の随筆でした。いや面白かったんだけど。つい。村上春樹が。 いくつかの場所で発表した諸々をかき集めて収録した随筆集…

老人力 全一冊/赤瀬川原平

赤瀬川さん大好きなんですが、恐らくはベストセラーのこれは、一冊目を立ち読みしていただけでした…。「老人力」と「老人力2」を両方収録して「全一冊」です。 路上観察学会での「老人力」の誕生逸話からはじまって、赤瀬川さんが、じゃあ老人力ってなんだ…