老人とカメラ 散歩の愉しみ/赤瀬川原平

老人とカメラ―散歩の愉しみ (ちくま文庫)
赤瀬川老人が日本全国津々浦々で撮り貯めた写真の中から、ちょっとおかしい、ちょっと侘び寂びを感じさせる、ちょっとちょっとちょっとー!だったりするものを掲載。それぞれに短いコラムがつく。コラムというか。なんかもうショートショートというか。完結した小話のような数々。
写真はモノクロで、雑誌連載時のレイアウトを踏襲して?ちょっと寸詰りなサイズなんだけれど、でもよい。すてきだ。撮影されたトマソン的物件に対してだけでなく、中古カメラウィルスなんて造語もある著者の、なんつうか写真を撮ることそのものに関する「愛」を感じる一冊ですよ。
目的地に急ぐあまり、周りに目を向けない人生なんてほんとつまらないと思える。