モロッコで断食(ラマダーン) 上・下/たかのてるこ

モロッコで断食(ラマダーン)〈上〉リビドー・ウォーズ編モロッコで断食(ラマダーン)〈下〉愛と断食の日々編
普通の会社員…の方の、学生最後の卒業旅行の旅行記、です。だから会社員(東映!)になる前の話。卒論を書き終えて一人で旅に出る。パリからスペイン、そしてモロッコサハラ砂漠。スペインで誕生日に着の身着のままでスキーをしたり、モロッコで襲われたり!砂漠で死にそうな目に遭ったり、断食に参加してベルベル人の村で長く過ごしたり、崖から車ごと落ちて死にかけたり、する。本人は英語が出来て、度胸があって、笑いをとれる大阪人で、明るい美人さんな感じだ。
これ、たぶん、例えば友達がweb上で連載していたりなんかしたら、大絶賛だったと思う。感動を伝えられる文章は上手な人だ。ただ、本になってしまうと…ちょっと普通な感じがしてしまった。いや、勿論、ワタシにはこんな旅は出来ない。英語力とか度胸を差し引いても、未知なる所へ飛び込む強さとあっと言う間に友達を作れてしまう魅力はこの方独自のたぐいまれなる才能だと思うが。感情を大事に書かれているので、たとえば旅の指南書としては情報が足らない。旅行記にしては、「女の子の日記」過ぎるのです。良くも悪くも。ああでもなんか、勇気出るかもな。
さて貸してくれた方は「kayaさんが書きそう」と言ってくれたのでした。読んでみて、いやいやいや、この人ワタシの100倍くらい英語が出来るし、とか50倍くらい文章うまいし、何より体験の濃さが素晴らしいよ…とか浮かびましたが、ちょっと思い当たったのは、へこたれなさ(楽天家)と、あと、惚れっぽさか…(この人、旅の途中に二回もレンアイしています。一度目は恋で二度目は愛らしいですが…)