百鬼園随筆/内田百ケン

百鬼園随筆 (新潮文庫)
百ケン先生のケンの字(門がまえに月)は出せないのですな。知らなかった。というわけで読みかけでうっちゃられてしまったのは百鬼園先生の随筆でした。いや面白かったんだけど。つい。村上春樹が。
いくつかの場所で発表した諸々をかき集めて収録した随筆集。ひととおり読むと百鬼園さんの我が侭さやらかわいさやら、川上弘美(解説)の言う「自分ルール」則りの生き方だとかが、まざまざ見えてきます。
好き勝手やって書いてるんだけど、この人にしかない味わいで。これを誰かが真似しても面白くないんだろうな。そして実際、借金ばかりして踏み倒したり、遅刻魔で、煙を眺めたくてストーブに石炭を鬼のように詰め込んだりするドイツ語教師が近くにいたら、相当うんざりしそうなんですけどね、でも憎めないのかなあ。
ノラや、しか知らなかったけれど、この方ののらりくらり加減がなんていうか、腰に来ます。力抜ける。力抜けたところでナゼか「続百鬼園随筆」も買ってしまったので続いて読みます。