上り坂下り坂/青木玉

上り坂下り坂
青木玉さんのエッセイ。いろんな媒体に発表されたのがまとめられています。ココロ洗われます。母・幸田文没後10年で考えたこと。思い出。4代に渡って住み続けている小石川の描写。草木自然への思い。ゆったりしたうつくしい言葉。巳年・年女のときの年賀状の文章、というのが1ページ収録されているんですが、これがすごく素敵。自分が年女のときにマネしたーい、と思いました。ええと、36か。次は…。
赤瀬川さんとは違う視点で、なんというか「急ぎすぎないこと」を教えてくれます。せっかち・おっちょこちょいのワタシに欠けているもの(言い訳すれば、それでも短気ではないのが救いか)。
そして珍しく(そうでもないのか?)祖父露伴に関する短い文章もいくつか。「五重塔」を読んだのはたぶん中学生くらいの頃で、嵐の描写にうわー、と思った他はあまり記憶にない…ので、今度読み返してみようかと思いましたよ。
幸田文青木玉母娘はとても好きなんですが、その更に娘さんも確かエッセイを書かれるのですよね。しかしそちらはあまり食指が動かなかったことを思い出す。文体は遺伝するものでもないのだろうなあ。