問いつめられたパパとママの本/伊丹十三

問いつめられたパパとママの本 (新潮文庫)
中央公論社の編集者だった村松友規氏が依頼して始めた連載をまとめたという一冊。今までの多方面渡り歩きエッセイとは異なって、これは理科系読み物。表題通り、子供に「どうしてどうして?」と問いつめられたときのパパとママの答えが、これはとんちなどじゃなくて、しっかり科学的解説を、なんとか頑張っている。王道「赤ちゃんはどこからくるの?」から始まり。
「空はなぜ青いの?」「人工衛星はどうして落ちてこないの?」あたりならば理系両親に育てられ物理選択だった身としてはなんとか…と思ってたけど、「猫の眼はなぜ光の?」「煙草の煙は青いのにパパの口から出ると白くなるのはなぜ?」なんていうの、これわかる大人いるのー!?と負け惜しみ言いたくなりますが。幅広いですよ。そりゃもう。
きちんと取材して書かれており、たぶん嘘はないんだけど、あんまり複雑になると端折ってしまったり、あれ、理由はそれだけだっけ?と思う答えもあったり。でも面白かったですよ。理科の伊丹先生、という感じです。