吉行淳之介エッセイ・コレクション1 紳士/吉行淳之介 ・編 荻原魚雷

吉行淳之介エッセイ・コレクション 1 (ちくま文庫)
ヨシユキさんのエッセイ集。これは「紳士」編だということで、主にお酒の席でのたしなみだとか、麻雀の話だとか、ファッションの話だとか。この方ならではの奔放な遊びぶりとダンディズム(この言葉についても面白い話がひとつ)が小気味よい筆致で描かれております。ほほえましい、とか大笑い、ではなくて、にやりとさせられる一冊。
あ、でもえげつなー、と思いながら大笑いした一語は
「モモ膝三年、尻八年」
まあ、酒場でさりげなく触れるようになるにはそれくらいの年数が必要らしいです。
あと
疲労感と疲労はちがう」
というのもね。当たり前かもしれませんが。疲労感はとれても疲労が残ってしまうときってあります。特にここ数年感じる…ってそんな年齢でもないはずなのだが。でも疲労感がとれるというそれだけでもやはり大事だ。好きな人、好きな酒、好きな音楽で癒されること。
「気に入らぬ風もあろうに柳かな」
これはどこかの和尚さんの言(らしい)。簡単に言うと、むっとするようなことがあったときに、この言葉を思い浮かべるそうです。そうすると怒らないで済んだりする。ワタシも覚えとこうか、と思った。