ボクの音楽武者修行/小澤征爾

ボクの音楽武者修行 (新潮文庫)
1961年、26歳の小澤征爾が綴った、ヨーロッパ・アメリカでのまさに「武者修行」の記録。滞在先から日本へ送った数々の手紙と、その間を埋める文章で構成される。数々のコンクールを総なめにしてステップアップしていく部分だけを見たら、まさしく天才!とも言いたくなるのだけれど、それよりはとにかくみずみずしい感性と音楽への愛情と圧倒的な行動力と、積み重ねられた基礎の部分がものすごくまっとうな人なのだと思った。
数ヶ月の船旅でフランスへ渡り、富士重工から借りたスクーターでパリまでたどり着く。たまたま開催を知った国際指揮者コンクールみたいなものに、無理矢理出てしまい、優勝する。シャルル・ミュンシュカラヤンバーンスタインなど錚々たる名前が次々に出てくる。
クラシックの知識が薄くても十分楽しめました。あと全然関係ないですが一人称「ぼく」が似合う大人というのが結構好きです。そして若い頃の征爾氏はオザケンとちょっと似て見えた…。
余談:小澤が住んでいたが、あまりに近代的過ぎて(!)馴染めず、出ることにしたコルビュジェの「大学都市」の「ブラジル館」はこちらの下の方に出てきます(写真12-14)(検索していたら勤めていた会社のサイトから発見したので使わせて頂くm(_ _)m)
http://www.yomiko.co.jp/ability/town/city/26.html