2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

リセット/北村薫

スキップ、ターンと来てこのリセット、で三部作完結らしい。三部作と言ってもそれぞれ関わりのある話ではなく、ただ、一貫したテーマが「時と人」であるというシリーズ。巻末に宮部みゆきと北村薫の対談が収録されていて、そこで宮部が語っているのだけど、…

イン・ザ・プール/奥田英朗

映画の予告編を見て興味を持ったときに、何編か立ち読みしていた本の文庫を購入。友人(id:maschineさん)がオモシロイと云ってたのもあり。 精神科医伊良部のもとを訪れるさまざまな患者ごとに一編ずつの短編集。患者側の一人称で書かれるので、語り手は変…

トーベ・ヤンソン短篇集/トーベ・ヤンソン 訳 冨原眞弓

ムーミンの作者として世界的に著名なヤンソンの短編集。さまざま、色とりどりのものが集めてあるので一概に感想を述べづらいけれど、最初の「夏について」の一連と、「旅」あたりからの後半は素晴らしく良かった。途中「創作」の一連の中途半端に硬質な感じ…

わんわんワールド

http://world.hatelabo.jp/全然読書と関係ないのですが、はてなを使ってるのがここなのでメモ。はてなのidで遊べる。 特に目的なく自宅(千葉)あたりをさまよってみたり、大学の近く(神楽坂)あたりをうろうろしたり、人(犬)が多い渋谷近辺に行ってみた…

オシムの言葉―フィールドの向こうに人生が見える/木村元彦

WBCで盛り上がった舌の根も乾かぬうちにサッカーかよ。ですがこの本、友人三人から薦められた珍しい一冊でして、そのうちの一人である貸してくれた後輩が、もう就職しちゃうので、早く読み終えねば…と手をつけたら一気読みでした。(二人目は建築仲間のサッ…

体力の衰え

今月あまり読書が進んでいないのは、大学研究室の引っ越しによる肉体労働が多かったためかと思われます。くたびれちゃって、電車で活字を追えないのだよね。。。そろそろ復活予定です。今日は鞄に読み終えた「文書読本」とこれから読む本と、さっき買った本…

文章読本/谷崎潤一郎

タニザキが語る文章論。小説に限った話ではなく、日本語で文章を書くことに主眼を置いて、さまざまな引用(源氏物語、更級日記、城の崎にて、即興詩人etc.)を交えながら上達法や用語、調子、文体、体裁、品格そして含蓄…と項目を取り上げていく。丁寧な口語…

東京下町殺人暮色/宮部みゆき

ISBN:4334719449 宮部みゆきの現代もの推理小説、ということでさらさら一気読みでした。中学生の少年が主人公で、父親は刑事で、ツワモノなおばあちゃん家政婦さんとか、町会長の息子である親友との少年探偵団ごっことか。舞台は東京深川。展開は軽めです。…

遊覧日記/武田百合子

ISBN:4480026843 武田さんが、娘の花さん(文中では「H」)を連れて、ふらりふらりと出かけた様子を綴ったエッセイ。写真を花さんが撮っている。代々木公園だったり、不忍池だったり、花屋敷だったり、京都まで足を運んだり。 隅田川で桜を見る話。きっかけ…

貧乏サヴァラン/森茉莉

「サヴァラン」はフランスの美食家の名前ブリア=サヴァランから。グルメ…いえ、くいしんぼうであり、家事はひたすらに不得手だけど料理だけはする森茉莉の、食に関するエッセイを集めたもの。 フランスでの贅沢生活の話、森家での話、結婚時代の山田家での食…

空飛ぶ馬/北村薫

落語家円紫さんと女子大生の「私」が、遭遇する不思議な出来事・謎を推理して解き明かす、という形式の短編集。今これを書き始めて、はっ、と気付いて慌ててページをめくり直したのだけれど、この女子大生、名前がないや。大学教授との会話、円紫さんとの会…