東京下町殺人暮色/宮部みゆき

ISBN:4334719449
宮部みゆきの現代もの推理小説、ということでさらさら一気読みでした。中学生の少年が主人公で、父親は刑事で、ツワモノなおばあちゃん家政婦さんとか、町会長の息子である親友との少年探偵団ごっことか。舞台は東京深川。展開は軽めです。若い女性の連続殺人は重たいけれど。
何度か「想像力」に関する考え方を話すくだりがあって、これは日頃結構思っていることなので、ふむふむ、と思いました。「これをこうしたら、どうなるか」ということが考えられるか否かが、ごく簡単なところで大人と子供の境である気がします。自分が正しくそれを働かせられているかというと、微妙な部分もあると自覚していますが。とりあえず中学生くらいの「法律にふれてなければ何やってもいい」「子供だから逮捕されない」といきがってる頭でっかちがいたら、読ませたい。
で、「宮部みゆき推理小説」は、最後のたたみかけるような謎ときが圧巻…というイメージなんだけれど、今回それは残念ながら、という感想。「謎の女」が強引過ぎたなあ。このヒトがいないと謎は解けないのだけど、登場する理由が弱いような。