2004-01-01から1年間の記事一覧
友人スズキさんお薦め。昔がたり形式。舞台は帝都東京。正義の大盗賊。義理と人情。ピカレスク。娯楽小説として普通に面白かったです。爽快。続刊も読みます。個人的に大正期というのもそそられる時代背景だし。 サンキュー>スズキさん
初らもです。不謹慎商戦?に乗っていますが、手に取る機会を逃すこともないし、と。朴訥写植屋と詐欺師と女性編集者との間で一人称が入れ替わっていくテンポのよいコメディ。面白い。途中ラリってる写植屋さんの独白は長過ぎですが、「うまい!」と思える箇…
一日で一気に読んでしまった(通学電車及びゼミ前後大学で。いいのか。若干仕事滞らせ…)。日航機墜落事故。新聞社の主人公。濃い。社会派。男の嫉妬。ちょっと家族愛と山も。いや。でも筆力ある人だと思った。元新聞社勤務ということで当然か。文章に引っか…
星々の悲しみ (文春文庫) 気に入った作家をがーっと読む癖があります。その宮本輝ブームは7〜8年前だったかと。それ以来で何となくの短編集。死が見え隠れするような7編。初版はちょうど20年前なのだが、小説の情景は古くもなく新しくも感じない。変な感…
フランソワーズ・サガンが亡くなりましたね。その作家が書いた同じ時代に生きてる、ってやはりすごいことなのだと思いましたよ。
どうしよう…とか言いながら川上弘美。恋愛短編集。川上節全開らしい。「蛇を踏む」よりいいです。やはり。あれがよくなかったか。しかしせっかちなワタシはあんまりゆったりした登場人物にはちょっといらいらしてしまい。でもそのいらいらも含めてこの人の小…
最近本を買いすぎなので今は再読週間ということに。ホームズを全部読み返してみたりしています。今は「事件簿」を読んでいる。ホームズの一人称だったり(白面の兵士、獅子の鬣)、はたまた三人称だったり(マザリンの宝石)の短編が収められているのも見ど…
やーーっと文庫化されました。ので買いました。映画も込みでずっと気になっている作品だったものの、「蛇を踏む」がどうしても好きになれなかったので、この単行本ほか川上作品に手を出す勇気がなかったのさ。3年半待ったよ。 谷崎潤一郎賞。これ、面白かっ…
あー読み終わってしまった。短い。ような。一晩で起こる出来事が「視点」によってみつめられる。「視点」はものごとかなり突き放してるくせに、時々語り出す。今めくって見つけられなかったけど、わたしたちは等しく時の下流に運ばれる…みたいな一文とか、急…
…を買ったよ。買いましたよ。ああ読みたい。と鞄を眺める研究室の午後。
あー。やっぱり読み始めると止まらない。三人称って初めてかな?(思い出せない)。下手な感想も途中で書けませんが、とにかく世界の終わり〜とかカフカとかアンダーグラウンドとか神の子どもたち〜とか、いろいろあって、今度がこれなのかなあ、とか。
朝日新聞でもう4年目になる身辺雑記連載をまとめた3冊目。前2冊も持ってます。(2冊目は貸しっぱなし。心当たりの方は速やかに返却を。)今回は、実際観に行ったオケピ!や、はまりまくっていたHRなんかの話が多く。なので更に感情移入?出来。しかし…
小川洋子どうなのよ。と思いながら買い続け。これは当たり、面白かった。微妙に繋がる登場人物たちの11の短編。その繋がり方は微妙というか実にうっすらと、なんですが。そしてタイトル通り「弔い」がテーマだった…ということを、読み終えて作者のあとがき…
うちにある創元推理文庫のクリスティで読んだことないものなんてあるわけない…はずだったんだけど、種明かしぎりぎりのところまで犯人思い出せてなかった。何なんだ。でもこれクリスティの中でも好きな話。推理小説として面白い。最後までちゃんと引っ張りま…
ものがたり作家いしいしんじの比較的新しい一冊。ワタシが好む他の作家とはもう全然違う味なのですが、美味しい。村上春樹以外で久しぶりに単行本買ってしまう作家ですわ。(全然文庫が出てないというのもあるけれど) ある事件をきっかけに山奥の湖畔の村で…
ただいま本棚中身大移動中でいろいろと昔の本が出てくるので。一時期「深夜特急」を一気に読んで、こりゃええわ、と思ったときに購入した…はず。短いエッセイが15編。タクシーでの出会いとか、本の献辞のハナシだとかは面白いのだけれど、「深夜特急」には遠…
エッセイ。自分の半生を振り返りつつ、作品に込めた思いや、そのときの手法など語るので、もっと大江作品を読んでから読めばよかったかもな。と思う(初期の5冊くらいしか読んでない)。難解で複雑なことをやっているんだけれど、本人の言葉で解説されると…
「博士の愛した数式」がとてもよかったので、そのあと「ブラフマンの埋葬」「妊娠カレンダー」「シュガータイム」など読み進めて、これ。結論を行ってしまうと、「博士〜」が一番いいです。よすぎた。他はすべて食い足りない感じが強いです…。ああ残念。ただ…
植物を素材にしたエッセイ集。写真もたくさん。祖父(幸田露伴)や母(幸田文)の思い出も交えつつ。幸田文好きから青木玉さんも手にするようになりましたが、読んでいて幸田文ほどの高揚感はない…かなあ。でも優しい気持ちになれて、教養深まる感じはやはり…
部屋片付けてたら出てきたので。主人公の名前「まなか」が何となく自分の名と重なるという感じを思い出した。前読んだときよりMAYA MAXXの挿画が印象的。そしてばなな小説の登場人物たちはいつも何かをわかったり悟ったり気づいたりしている。オーストラリア…
吉田修一歴3冊目ですが、これが一番小説として面白かった。5人の同居人の5人5様。5章がそれぞれ一人称で語られる形式。何か起こりそうで、そう、何か起こってたわけなのだけど、それがすんなり「来る」感じで。いやこの感じ方はほんとワタシなりでしか…
スキージャンプ選手の殺人事件。しかも早い段階で犯人が割れる。でもなぜ犯人がわかったのか?誰が告発したのか?いやでも伏線ぽいのたくさんあるし、実は犯人別にいるんじゃ…とか。思わせぶり炸裂。で、とりあえず「放課後」といいこれといい、登場人物が魅…
「パーク・ライフ」で挫折して以来の吉田修一。短編集。少なくとも「パーク〜」よりは全編面白かった。なんであれで芥川賞だったんだろう。でもなあ。なんだろう。当たり前なんだけど、ちと男性視点というか都合いい書き方してる?感がありました。「ひりひ…
ストーリーを全然知らずに買ったのだが、物語のメインは音楽。打楽器。指揮。吹奏楽。昨日まで読んでたオケ人間学と図らずも繋がってしまった。熱海調査の往復で読了。 でも特にオケ人間学を投影できるわけではなく…。いしい節全開で優しいおはなしでしたよ…
オケの楽器別に人間性を考察、もしくは著名人つかまえて似合う楽器を考察。など無理矢理くさいけれど何らかのオケの楽器をやったことある人ならちょっと笑える人間観察学。ワタシはオーボエ吹きでしたが、そして作者はN響のオーボエ奏者ですが、「神経質」…
一家惨殺事件の生き残りの娘と、犯人の娘。なんか、テレビドラマっぽい。でも壮絶な経験をした悲惨さを、なんとか、こんなもんじゃない、こんなもんじゃないんだ!と描こうとしている部分はあるのかな。
12歳で時が止まった少年。うまいんだけどエピソードがいちいちタイミング良すぎてたまに冷めてしまう。厚介はあそこで死ななくてもいいよなあ。ラストも、難しい空気を残して終わる。子供出来てどうするんだ。
マリスってのは悪意という意味だそうで。テレビ報道の裏の話。前に「リミット」をかなり引き込まれて読んだので、手をつけた野沢尚。「リミット」がすっきりした結末なのに比べると、これは終わり方が。ちょっとぐったりする。
上品なポルノ。男の視点、だとあくが強すぎるけどもハタチの少年(娼年)の視点ということであっさり。でも中盤の面白さほどラストが冴えてないような。どう終わればよかったのかはわからないんだけど。そして野沢作品を先週続けて読んだので、忘れないうち…
「秘密」しか読んだことなかった。これは初期の作品みたい。女子校で殺人事件。最後まで誰がどうやって?と引っ張って裏の裏かいて持っていく筆力はうまいんだな。けど一人称の主人公が魅力的でない。まったく。