星々の悲しみ/宮本輝

星々の悲しみ (文春文庫)
気に入った作家をがーっと読む癖があります。その宮本輝ブームは7〜8年前だったかと。それ以来で何となくの短編集。死が見え隠れするような7編。初版はちょうど20年前なのだが、小説の情景は古くもなく新しくも感じない。変な感触。上手なヒトだと思う。その割に何回も読み返したり新刊を読み続けたりする作家にならないのは何故だろう。でもまた読みたくなってはきた。
すべて大阪周辺での話。表題作に中之島の府立図書館の描写があって、先だって入って見てきた記憶から、あの古めかしくて重厚な空気が想像ついてよかった。