絵描きの植田さん/いしいしんじ
ものがたり作家いしいしんじの比較的新しい一冊。ワタシが好む他の作家とはもう全然違う味なのですが、美味しい。村上春樹以外で久しぶりに単行本買ってしまう作家ですわ。(全然文庫が出てないというのもあるけれど)
ある事件をきっかけに山奥の湖畔の村で暮らすようになった絵描きの植田さんの話。淡々と季節は移りゆく。ハナシはいしい節そのままでゆったりと物語られ。相変わらず気持ちいい。で、この本はたまたま?なのか植田真さんというイラストレーターが、作中の「植田さん」よろしく挿絵を入れているのですが。が。これが。若干。ものがたりを読んで想像する「植田さん」の絵とはちょっと趣が違う感じでして、興を削がれる感じ。惜しい。