ザ・ベスト・オブ・J・G・バラード?/J・G・バラード 訳 星新蔵

SF読みたいよ、と言ってたら貸していただいた一冊。サンリオSF文庫!のJ・G・バラード短編集。確かにSFなんだけど、ちょっとずれるというか、SFだけで片付けにくい一冊でした。宇宙は出てこないしな。物語の肝となる設定はSFチックなのだけど、登場人物たちの描かれ方はむしろ純文学的というかなんというか。昭和でいうと30年代の作品たちはどことなく古めかしいのだけど、たとえば口のきけない「音響清掃人」と昔の栄華に縋るオペラ歌手の話なんかの古めかしさは、好みの感じであった。
最初の「強制収容都市」…縦横に永遠に繋がるブロックで構成された終わりのない都市世界を駆け抜ける列車も、何やらコワイけれどときめく設定でありました。

ザ・ベスト・オブ・J・G・バラード (1) (サンリオSF文庫)

ザ・ベスト・オブ・J・G・バラード (1) (サンリオSF文庫)