太陽からの風/アーサー・C. クラーク 訳 山高昭、伊藤典夫

SF巨匠の短編集。いやー。面白かった。
短い中に皮肉の効いたものあり、冒険活劇ありで全編楽しめましたが、特に太陽ヨットの話など、SF的発想の新技術や新ルールが設定された上で展開される物語のわくわく感が良かった。最後の木星探索の話は、ドイルの短編集に出てくる空の魔物など思い出しつつ、見たことのない世界をここまではっきり紡ぎ出す力に感服。
この本を貸してくれた人にも伝えましたが、最近ぽつりぽつりとSFを読むようになって、火星に移住はしてないにしても、そういやまだ月面に基地もなかったんだっけ…、と現実が遠くなるばかげた錯覚を起こすようになっております。先日、2025年に月の探索に!みたいなテレビ番組を見ていたときに実感。