無人島に生きる十六人/須川邦彦

どこで情報を得たんだっけ…とにかくネットで見て、読みたいな、とamazon衝動買いの一冊。
十五少年漂流記ならぬ、十六おじさん漂流記。しかもノンフィクションだと言うのですもの!!!(だからジャンル「小説」はおかしいかも。ノンフィクションだとどれだ?)時代は明治31年。戦争の起こるずっと前。帆船・龍睡丸にはベテランから研究生まで、帰化したアメリカ人であるという3人も含め、16人の乗組員がいて。太平洋上で座礁し、無人島で助けを待つのですが、この16人のチームワークや技術や工夫が素晴らしいのですよ。井戸を掘ったり、櫓を造ったり、漁のための網を作ったり、ウミガメを放牧?してみたり。
この本は、実際に座礁無人島生活を送り、無事帰国した中川船長が、のちの時代に東京高等商船学校の教師となり、その教え子須川氏が聞き語りをまとめた、という形式をとっています。自らと仲間達を褒め称え、きれいごとにしているのかもしれないよなあ…という語り口ではあるものの、それを差し引いても、この時代の日本人の強さ、たくましさ、器用さ、規律正しさ、真面目さに素直に感心します。とても面白い。解説、そしてこの本の再版を促したのは椎名誠

無人島に生きる十六人 (新潮文庫)

無人島に生きる十六人 (新潮文庫)