天切り松闇語り 4 昭和侠盗伝/浅田次郎

このシリーズ、とても気に入っているものの、文庫になるまでいつも待っていたのですが、今回は親が図書館で借りてきていたのを拝借。話は一気に震災後に飛び、そうして松蔵と安吉親分が住んでるのが同潤会の青山アパートでございますよ。びっくり。書生常は帝国ホテルのスィート住まいらしいですが、江戸川アパートの洋式住戸とか似合うと思うんだけどなあー。
前3作よりも、話ごとのゲスト的登場人物が深く描かれているので、松蔵ほかいつものメンバーの活躍は、そのおまけ的な扱い…かも。その中では松蔵とおこん、常の若手三人が大仕事をしてのける一話目が一番気持ちよかったかと。「天切り松」は東郷平八郎命名、って、すごいこと考えるなあ、浅田次郎も。
昭和も10年頃まで時代が進んでしまって、かわいかった少年松蔵ではなくなっているのがちょっと心配ですが、先日読んだ「読本」によれば、時代を行ったり来たりして、このシリーズ、大正時代を中心に引き続き書いて行くそうなので、次回作も楽しみです。

天切り松 闇がたり〈第4巻〉昭和侠盗伝

天切り松 闇がたり〈第4巻〉昭和侠盗伝