ベロニカは死ぬことにした/パウロ・コエーリョ 訳 江口研一

ブラジルの作家パウロ・コエーリョ。有名なのは「アルケミスト」ですが、ワタクシ、この本は以前読んであまりピンとこなかったのだよな。それよりは、ごく短い小説ですが、今回の方が良かったです。
舞台はスロベニア。大事件が起きたわけでも、悲痛さもなく、ただ淡々と、このまま生きていても何も変わらない、と気づいた若い女ベロニカが自殺を図るところから物語りははじまる。その後、精神病院で目覚めたあとのことも、淡々と。
なぜだか途中、作者パウロ・コエーリョ自身が登場し、自分の体験や、作中のベロニカについて話してくれたという自分の友人ベロニカについて紹介したりする。唐突。そして意味がわからん。でもなーんでだか、読み終わってみるとあまり違和感もなかった。全体的に聞き書きぽく語られるせいか。

ベロニカは死ぬことにした (角川文庫)

ベロニカは死ぬことにした (角川文庫)