ダ・ヴィンチ・コード/ダン・ブラウン 訳 越前敏弥

ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)
文庫は上中下で3巻ですが一応上巻のリンクを→
一日一冊読んで三日で読了してしまいました。ワタシとしては面白かった。宗教要素が主体の暗号解読モノ。歴史モノでもあるかな。そしてミステリーと。テンポがよく、読者を置いていかない構成で楽しめる。事件に巻き込まれた象徴学者の大学教授が、警察や陰謀の黒幕に追われながら暗号解読官の女性と謎解きをしていく。下手に恋愛を絡めないし(そういうの苦手だ。最後はまあ許す)、王道だけど、きちんとどんでん返し的な要素もあるし。
レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画に隠された秘密、中世の秘密結社、シオン修道会テンプル騎士団マグダラのマリア、そして聖杯伝説…なんていうあたりに知識がなくても、引き込まれてしまいましたよ。宗教に強い気持ちを持たずに生きてきた自分にとっては想像するしかないもろもろのしがらみですが、何が真実か、ではなく信じてきたものが真実である、あってほしい、という観点は他の事象にも当てはまりそうです。
…でも難しいこと言ってそうだけれど、あまり頭を使わないで読めたような気もするな。
追記:読んだばかりという友人と話していて「最初からノベライズっぽいんだよね」と言われる。ああ、なるほど。確かに。今度映画化されるわけですが、確かに小説の時点で映画のノベライズ的空気があるのだな。映画的というか映像的で、悪くとると少し表層だけな感じか。そのへんが頭使わなくていいのかも。