チャリング・クロス街84番地/ヘレーン・ハンフ編著 江藤淳訳

タイトルは何となく知っていたけれど、初めて読んだ。あー、なんでもっと早く読んでいなかったんだー!たまらない。今更気づいてすみません。とても好きな感じでした。
有名な本だと思うので、説明するまでもないですが、中身はリアルな往復書簡。ニューヨークに住む、本好きの脚本家の女性と、ロンドンの古本屋の店員達との1対複数な感じで。ニューヨークのヘレーンが手紙で古書の注文をし、ロンドンのチャリング・クロス街84番地にある古書店マークス社がそれに応えるのですが、すべての手紙にユーモアがあり、優しさがあり、お互いがお互いをとても心地よい相手を感じている柔らかさもあり。さまざまな名著・著者についてや装丁の説明など、日本語訳でなければ私にはわからなさそうだけど、ちょっとした茶目っけとかイジワルとか…ヘレーンとドエルのやりとり、原語で読みたい、と思ってしまった。サブタイトルは「書物を愛する人のための本」とある。本が好きだー、という人全てに愛されるだろう1冊。

チャリング・クロス街84番地―書物を愛する人のための本 (中公文庫)

チャリング・クロス街84番地―書物を愛する人のための本 (中公文庫)

映画化もされてるのね。

余談ですが。昨年の星野道夫さんにしろ、今回のチャリング・クロス街にしろ、ああ!この本読めてよかった!という幸せな快感と来たら。たまらないなあ。としばし忘れていた気持ちを思い出しつつ。世に名作もベストセラーも星の数ほど在るけれど、自分にしっくり・ぴったりするものっていうのはやはり手探りで探すしかなく。
焦らず良縁を待つのもあるけど、自分から狩りにも出なくてはと。(最後若干脱線)