風に舞いあがるビニールシート/森絵都

名前は見たことある作家さんでしたが未読でした。短編集。これで直木賞受賞とは知りませんでした。6編は主人公の性別も年代もさまざまで、雰囲気すら違う感じ。1編1編違う作家であると言われたら騙されるかもしれないな。女性が主人公の「器を探して」「犬の散歩」は、若い女性向け雑誌なんかに掲載されていそうですが、「鐘の音」は仏像の修復士なんて一気に男性くさいリアリズムになって(話の結末は女性的?になるのは、これはむしろ違和感かも。勿体ないというか)。「ジェネレーションX」と表題作の「風に舞いあがるビニールシート」は、この2編だけだったらあまり好みではないテイストでしたが、でも「面白かった」です。上手なんだな。
ソツのない感じなので、思い入れたっぷりにはならなかったのですが、読書欲は満たされた。長編も読んでみたいかも。
ちなみに帯に「風に舞いあがるビニールシート」ドラマ化の話題が。実はこれ、たまたまテレビを見ていてちらっと最終回の最後らへんだけ見てたのでした。今回小説を読んでみて、吹石一恵はわからなくもないですが、エドクリス・ペプラーはちょっとイメージ違うなあ…

風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)

風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)