みずうみ/いしいしんじ

いしいしんじ新刊をやっと読み終える。3章立て。それぞれは微妙にリンクするのだけど、ほぼ別の話。いしい節全開の、ここではないどこかの、みずうみのある村の話である第1章。第2章はもう少し現実味が戻った街のタクシー運転手が主人公。そして第3章では、慎二という作家、園子という妻、ボニーとダニエルという異国の友人…「いしいしんじごはん日記」などを読んでいる身としては、見知った名前、実在の人物名の登場人物の、生活と体験が語られる。
第3章には、いしいさんの生活に起こった出来事が大きく反映されていて、これはいつの段階で書かれたものなのかなあ、と考える。この小説中にあらわれ迸る「水」のさまざまな役目は、何を繋ぎ何をながすのだろうか。

みずうみ

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