スキップ/北村薫

スキップ (新潮文庫)
北村薫を読んだことがないと言ったワタシの誕生日祝いに、友人がくれました。筋書きだけは知っていた一冊。たくさん売れてたよね?本屋でよく見てたと思う。でもなんとなく未読だった作家さん。結論から言いますと、すごくよかった。面白かった。気持ちの良い小説を書く作家さんなのだとわかりました。他も是非読んでみたい。買お。
17歳だった「私」一ノ瀬真理子が、ある日突然41歳一児の母・高校教師桜木真理子になる。SF的設定だけど、中身は全然。もっとしんどい話かと思ってた。取り戻せない・帰れない過去への気が狂わんばかりの郷愁とか想像して。でも違った。真理子さんはとてもすっきりとした素晴らしい主人公だった。いい話過ぎるけれど、リアリティもある。きちんとある。ありえない話を、読ませる。作家の力量。

あー。でも。小説は面白かったけれど、考えちゃうとやはりしんどいよな。17から25年飛ぶって。41まで。ごめん。多分ワタシは耐えられない。狂うだろうな。弱いから。でもつい最近「20代」という10年を終わらせた自分にとって、その10年がどれだけの意味を持っていたのかなんて…考えなかったな。この本読まなかったら。minnieさん、ありがとう。