人間腸詰/夢野久作

ISBN:4041366127
「腸詰」に「そうせえじ」とカナが振られています。うわー。これもまた短編集。これまた一人称。幾つかは書簡形式。表題作「人間腸詰」はありえない!と思いながらも引き込まれ、最後あたりで何やら想像してしまってゾゾゾ。「空を飛ぶパラソル」は、ひどく後味が悪いのだけど、それでも面白いと感じてしまう。「一足お先に」「狂人は笑う」「キチガイ地獄」等の、括るとすれば精神錯乱物なんて、言ってしまえば何でも気が狂ってるせいにしちゃえばいいわけで、小説として成り立ちがたいかと思いきや、すごいんだよなあ。
一番最後の「押絵の奇蹟」がなんだか好きでした。そんなことあるのかいな、と思うし、長いんだけど、一通の手紙が途方もない話を紡ぎ出しているのだよな。歌舞伎俳優が出てくるところもそそられる要素かも。
これで準備は整った(?)ことにして、「ドグラマグラ」に取りかかってみようかなあ。