平面いぬ。/乙一
4編の短編集。おついち、って読むのですね。はじめさんだと思っていました。「はじめ」っていう短編がこの本に1つ入ってたし。
で、書き下ろしの表題作が一番よかったです。腕に刺青の犬を飼う女子高生。不幸なんだけど笑ってしまう、しかしせつない、という展開。日本語力が揺るぎない感じで安心して読めた。若いのに('78年生まれって!)。あと3編は、終わり方がそれぞれちょっと哀しい…。解説者も云ってたけど「せつない」感じですわよ。読んでいて、えぇー、そうなるの、そうなの、せつねぇー、と。でもちょっと文語調な「石ノ目」にしても、少年小説っぽい(?)「はじめ」にしても、ほぼファンタジーの「BLUE」にしても、話の方向違っていても、ちゃんと自分のものにしている作家な感じでしたよ。