待つ女 浅田次郎読本/浅田次郎 朝日新聞社文藝編集部 編

待つ女―浅田次郎読本 (朝日文庫)
父の本を借りる。浅田次郎の、エッセイだとか短編だとか書評(人が書いたモノ)、対談、自作紹介、年譜…今までの著作に入りきれなかったものを拾って、解説つけて、集めてまとめたもの。まあファンの為の「読本」だよな。サブタイトルそのまま。40歳くらいで作家デビューだったり、超おぼっちゃま少年時代から家の没落、博打人生、極道、自衛隊、など、著作から垣間見えていた作家の人生がちょっとわかったり。まあ、ええと、繰り返して言うとファンの為の本だ、と。思います。
大雑把に括ってしまえば、この人はエンターテイメント本と真面目小説と、ふたつ使い分けてそれぞれ面白い、という稀有な現代作家だと思うし、ワタシも結構読んでいる。でもどちらかと言うと後者が好きです。やはり「蒼穹の昴」はかなりのめりこんだ記憶がある。「鉄道屋」「天国までの百マイル」もよかったですが、あとは短編集もそれぞれ結構好き。で、軽口ものだと「天切り松」シリーズだけは絶品。今回作品解説や書評をいろいろ読んで、機会があれば「壬生義士伝」を読んでみようかと思いましたよ。