天切り松 闇がたり 第三巻 初湯千両/浅田次郎

天切り松 闇がたり3 初湯千両 (集英社文庫)
待ってました、の3巻目。時代はだいたい震災直前、東京が最もモダンで華やかで粋だった(と個人的好みで思っている)時代の盗賊一門のお話。小気味よい江戸弁の啖呵に毎度すっきり。情景描写も楽しいし。人情モノです。ほろりとさせます。理屈はいらないので楽しもう、という感じ。
目細の安吉親分がかっこいいわけですが、この巻では竹久夢二に惚れられるという設定のおこん姐さんが切る啖呵が一番ですかね。いい女なわけですね。まあちょっと時代劇調が鼻につくきらいもあるのですが、楽しめます。解説が中村勘三郎浅田次郎江戸歌舞伎を書かせようという話し。確かに軽口のものだったら楽しめるものを書いてくれそうな気もします。