カイマナヒラの家／池澤夏樹 写真・芝田満之

ハワイの写真が挟まる、短編小説集。短編というか、すべて同じ人たちが主人公。ハワイの、あるひとつの大きな家で暮らす現地の人間ジェニー、ロビン、サム。たまに日本から訪ねるサーファーの「僕」。それにまつわる人々とハワイの話。
ハワイではなくハワイイ、が正しいのだそうで。リゾートやショッピングの「ハワイ」とは違う、サーファーの聖地でありそもそも現地の人のものである「ハワイイ」。その土地の言葉。とても何気ない生活、出来事、言い伝え。それを見守る大きな家。
「この物語の登場人物はすべて架空であり作者の想像の産物であるが、家は実在した」
最初と最後に添えられたこの一行が、あたかかくて潔くて。よい本だと思います。ハワイイに行きたい。。。ワタシはサーフィンはしないけれど、真っ青な海があればだいぶ幸せな気分になれる。普段運動なんて全くしないくせに、身一つで海に浮いているのはとても好きで。ああ。今年の夏も海に行こう、とひたすらに強く思ったよ。単純過ぎる。でもそういう人間です。