2004-08-01から1ヶ月間の記事一覧

終わりなき夜に生まれつく/A・クリスティ(再読…?)

うちにある創元推理文庫のクリスティで読んだことないものなんてあるわけない…はずだったんだけど、種明かしぎりぎりのところまで犯人思い出せてなかった。何なんだ。でもこれクリスティの中でも好きな話。推理小説として面白い。最後までちゃんと引っ張りま…

絵描きの植田さん/いしいしんじ

ものがたり作家いしいしんじの比較的新しい一冊。ワタシが好む他の作家とはもう全然違う味なのですが、美味しい。村上春樹以外で久しぶりに単行本買ってしまう作家ですわ。(全然文庫が出てないというのもあるけれど) ある事件をきっかけに山奥の湖畔の村で…

チェーンスモーキング/沢木耕太郎(再読)

ただいま本棚中身大移動中でいろいろと昔の本が出てくるので。一時期「深夜特急」を一気に読んで、こりゃええわ、と思ったときに購入した…はず。短いエッセイが15編。タクシーでの出会いとか、本の献辞のハナシだとかは面白いのだけれど、「深夜特急」には遠…

私という小説家の作り方/大江健三郎

エッセイ。自分の半生を振り返りつつ、作品に込めた思いや、そのときの手法など語るので、もっと大江作品を読んでから読めばよかったかもな。と思う(初期の5冊くらいしか読んでない)。難解で複雑なことをやっているんだけれど、本人の言葉で解説されると…

偶然の祝福/小川洋子

「博士の愛した数式」がとてもよかったので、そのあと「ブラフマンの埋葬」「妊娠カレンダー」「シュガータイム」など読み進めて、これ。結論を行ってしまうと、「博士〜」が一番いいです。よすぎた。他はすべて食い足りない感じが強いです…。ああ残念。ただ…

こぼれ種/青木玉

植物を素材にしたエッセイ集。写真もたくさん。祖父(幸田露伴)や母(幸田文)の思い出も交えつつ。幸田文好きから青木玉さんも手にするようになりましたが、読んでいて幸田文ほどの高揚感はない…かなあ。でも優しい気持ちになれて、教養深まる感じはやはり…

ハネムーン/吉本ばなな(再読)

部屋片付けてたら出てきたので。主人公の名前「まなか」が何となく自分の名と重なるという感じを思い出した。前読んだときよりMAYA MAXXの挿画が印象的。そしてばなな小説の登場人物たちはいつも何かをわかったり悟ったり気づいたりしている。オーストラリア…

パレード/吉田修一

吉田修一歴3冊目ですが、これが一番小説として面白かった。5人の同居人の5人5様。5章がそれぞれ一人称で語られる形式。何か起こりそうで、そう、何か起こってたわけなのだけど、それがすんなり「来る」感じで。いやこの感じ方はほんとワタシなりでしか…

鳥人計画/東野圭吾

スキージャンプ選手の殺人事件。しかも早い段階で犯人が割れる。でもなぜ犯人がわかったのか?誰が告発したのか?いやでも伏線ぽいのたくさんあるし、実は犯人別にいるんじゃ…とか。思わせぶり炸裂。で、とりあえず「放課後」といいこれといい、登場人物が魅…

熱帯魚/吉田修一

「パーク・ライフ」で挫折して以来の吉田修一。短編集。少なくとも「パーク〜」よりは全編面白かった。なんであれで芥川賞だったんだろう。でもなあ。なんだろう。当たり前なんだけど、ちと男性視点というか都合いい書き方してる?感がありました。「ひりひ…

麦ふみクーツェ/いしいしんじ

ストーリーを全然知らずに買ったのだが、物語のメインは音楽。打楽器。指揮。吹奏楽。昨日まで読んでたオケ人間学と図らずも繋がってしまった。熱海調査の往復で読了。 でも特にオケ人間学を投影できるわけではなく…。いしい節全開で優しいおはなしでしたよ…

オーケストラ楽器別人間学/茂木大輔

オケの楽器別に人間性を考察、もしくは著名人つかまえて似合う楽器を考察。など無理矢理くさいけれど何らかのオケの楽器をやったことある人ならちょっと笑える人間観察学。ワタシはオーボエ吹きでしたが、そして作者はN響のオーボエ奏者ですが、「神経質」…

深紅/野沢尚

一家惨殺事件の生き残りの娘と、犯人の娘。なんか、テレビドラマっぽい。でも壮絶な経験をした悲惨さを、なんとか、こんなもんじゃない、こんなもんじゃないんだ!と描こうとしている部分はあるのかな。

呼人/野沢尚

12歳で時が止まった少年。うまいんだけどエピソードがいちいちタイミング良すぎてたまに冷めてしまう。厚介はあそこで死ななくてもいいよなあ。ラストも、難しい空気を残して終わる。子供出来てどうするんだ。

破線のマリス/野沢尚

マリスってのは悪意という意味だそうで。テレビ報道の裏の話。前に「リミット」をかなり引き込まれて読んだので、手をつけた野沢尚。「リミット」がすっきりした結末なのに比べると、これは終わり方が。ちょっとぐったりする。

娼年/石田衣良

上品なポルノ。男の視点、だとあくが強すぎるけどもハタチの少年(娼年)の視点ということであっさり。でも中盤の面白さほどラストが冴えてないような。どう終わればよかったのかはわからないんだけど。そして野沢作品を先週続けて読んだので、忘れないうち…

放課後/東野圭吾

「秘密」しか読んだことなかった。これは初期の作品みたい。女子校で殺人事件。最後まで誰がどうやって?と引っ張って裏の裏かいて持っていく筆力はうまいんだな。けど一人称の主人公が魅力的でない。まったく。

ぶらんこ乗り/いしいしんじ

「プラネタリウムのふたご」の作者。なんとなく本屋にあったら買ってみよう、と思っていた作家の本を新潮文庫新刊で発見。おとうとの思いでを語る姉の視点。優しい。プラネタリウム〜に引き続きちょっと寓話風。サーカスも出てくるし。この人の他の本はどう…

濫読が続き。前にこれくらい読書熱が高まっていたときは、手帳に読んだ本の記録を付けていたのだけれど、今はただ読み流し…の結果、何を読んだか覚えてない。別にいいんだけれど、結構なペースで本を「買ってしまう」ワタシとしては、たまに不経済なこともし…