アルゼンチンババア/よしもとばなな

アルゼンチンババア (幻冬舎文庫)
映画化されている(される?された?)らしいですね。どこかで話題になってたのがちょっと記憶に残ってたので買ってみた。文庫。でも奈良美智氏の絵がカラーで掲載。ものすごーく薄い。ええと、80ページ。乗換駅の本屋で購入して、家までの30分くらいの電車で読み終えてしまった…30分495円か…いやいや。
ストーリーは結構単純で、母が死に、父が町の有名人アルゼンチンババアと暮らすことになる状況を娘の「私」から見ている。それだけの話。登場人物も少なくて、ほぼ私と父とアルゼンチンババアことユリさんの三人。あと、いとこと叔母と最後に…(ネタばれぽいので伏せた)くらいか。アルゼンチンババアの住処アルゼンチンビルは想像するとちょっと素敵空間ですね。うっそうとした庭があって、1階は元ダンススタジオで、2階は台所とか水回り、3階が住まいで、屋上に庭園と、父のつくった鮮やかなモザイクの曼荼羅。きったないらしいのは困りますが。
短かったけど、人の死にまつわる空気や、悟ってて力強くてちとスピリチュアルなユリなんかの描写だとかが、あー、よしもとばなな、という味わいでございました。