真相/横山秀夫

真相 (双葉文庫)
横山秀夫短編集。これはこの方らしい感じでした。人間のいやなところを抉りますよ。ぐさりと。
事件の被害者の家族だったり、出所した加害者だったり、後ろ暗い過去を持っていたりする人物が主人公で、警察は出てこない。あくまで何らかの事件にそれぞれの立場で関わった人たちのその後の人生に起こる出来事ですが…。展開がスピーディな「18番ホール」、リストラで人生が狂う「不眠」…知らないでいたかった秘密や、どうしようもない過去や、うしろめたさに、恐ろしいほどの偶然がかぶさったりして、人生を狂わすんだ。怖ささえ感じます。全部けっこうつらい話なので、おすすめの一冊とは言い難いですが、こういうの書ける力量がすごい。