花芯/瀬戸内寂聴

花芯 (講談社文庫)
だいぶ昔の作品と最近のがまざっているのか?の短編集。6編とも人称は変われど女性が主人公。そして多かれ少なかれどうしようもない女の性の匂い。「せい」も「さが」も。表題作は発表当時、子宮という言葉を使いすぎだとかの批評を受けて(瀬戸内さんは「子宮作家」とまで言われ)、必要以上に貶めた見方をされたらしいのですが、読んだ印象では、官能的なところよりも、女性の描き方や所作の描写の美しさに目が行く気がします。男性が描く悪女、ではなくて女の魔性をわかっている女性が書いたなりのリアルさ・怖さがあり。
解説が川上弘美。この人解説だと安心して買っちゃうとこはあるかも。